台湾国防省報告書:中共、台湾を向け784発のミサイルを配置

2006/09/01
更新: 2006/09/01

【大紀元日本9月1日】台湾国防省は新たにまとめた国防報告書の中で、中国共産党(中共)の人民解放軍は2005年末までに台湾を向けて784発の「東風」シリーズ短距離ミサイルを配置し、また毎年75~100発のベースで増加していると指摘した。同報告書によると、多くの短距離ミサイルは南京及び広州軍事基地に集中しており、改良型のミサイルも一定の数で毎年増加しているという。

8月29日に公布された『民国95年国防報告書』では、中共は空母や上陸攻撃などの反撃にたいしてミサイル及び巡航ミサイルなどを積極的に研究利用し、また近年ロシア製スホーイ型高性能戦動機、空中早期警戒機(AEW)、大型運送機、K級潜水艦、追撃艦などを含めた先進武器装備及び技術を導入し、各型の巡航誘導ミサイルを改良してきた。その為、台湾海峡における軍事情勢のバランスは中共に傾いているとの現象が顕れた、と示唆された。

中共人民解放軍による台湾攻撃の軍事配備について、台湾国防省は、空中兵力において中共は防空兵及び各種の戦闘機を総合させ戦闘にあたると分析し、そのうち全動機3400機、偵察機90機、輸送機300機、輸送機のうち戦闘支援に当たる大型運送機は10機あると見なしている。

ロシアから購入したスホーイ(SU)シリーズ戦闘機を含む中共空軍の先進高機能戦闘機の大部分は迅速に台湾海峡での戦闘に対応できるよう、中国大陸の東部基地に配備されていると見られている。

海上兵力において、過去10年間に中共海軍は数多くの老朽軍艦を引き上げたが、配備された新式艦艇はまだ少ない為、艦隊の近代化を積極的に進めている。中共海軍が保有している艦艇のうち、大型海上戦闘艦艇70隻、戦闘潜水艦60隻、中大型水陸両用輸送艦は40隻以上、また短距離ミサイルを装備されている巡洋艦は約50隻がある。速やかに対台湾攻撃に投入できるように、駆逐艦や潜水艦などのロシアから購入した高性能艦艇を含め、3分の2の軍艦は東海及び南海艦隊に配置されている。また、進撃を支援するように中共は北海艦隊を調整することもある。これらの状況は台湾海峡における情勢を一層緊迫させたと考えられる。

地上兵力において、人数的に中共はかなりの優勢を持っている。中共の対台攻撃にあたる陸軍兵士人数は約40万人で、それぞれ南京、広州及び済南軍事基地に駐屯している。また、2006年には、2005年と比べ、兵士人数はさらに2万5000人を増加したという。南京軍事基地では三つの師団が駐屯している。これらの師団は対台攻撃の際の主要兵力となっている。また、万が一攻撃を開始すれば、戦力を増強する為中共がさらに広州及び済南基地から部隊を派遣するとの可能性は極めて高い。

一方、中共は地上兵力において数的に優勢であるが、空中、海上での輸送及び兵站の面において全面的に戦闘を支援できないため、海上や空中での戦闘では展開が難しくなる。近年中共は空中輸送や海上輸送を強化する為、海軍や空軍と地上部隊との連合軍事演習を頻繁に行っているという。

同報告書では、中共が空軍の戦闘力を強化する為に、近年大量に新型武器装備や輸送機を購入していることを示した。台湾国防省は、対台湾攻撃において、まず中共空軍の特殊部隊が戦略要地を占領し、台湾軍への増援及び兵力の移転を絶って、政治・経済・医療施設及び軍事重要施設の破壊を狙った中共の戦略を予想している。

戦場偵察、潜入、敵軍牽制などを担当する中共特殊戦闘部隊はそれぞれ7つの軍事基地に駐屯している。中共特殊戦闘部隊は既に、夜間飛行、ヘリコプター及び突撃戦艦で目標地区に潜入し偵察、攻撃を行う能力が備わっている。中共特殊戦闘部隊は将来戦争が起きた場合、直接、戦闘または特殊偵察活動に参与することができる。