香港メディア人:中国の臓器狩りを非難、報道は公正と良識を堅持すべき

2006/05/26
更新: 2006/05/26

【大紀元日本5月26日】香港誌「前哨」の最新刊は、中国の秘密収容所で生きている法輪功学習者の臓器を強制摘出する内幕を報道した。同誌の総編集長・劉達文氏は、このような残忍なことを無視してはならないうえ、人権派弁護士・高智晟氏の勇敢な行為に感動されたため、今回の報道を決めたと語った。報道では、中共の臓器狩りを詳細に伝え、米国に脱出した2人の証人である中国人ジャーナリストや臓器摘出に参加した執刀医の妻の証言、中共の軍内部の医者が提供した情報などを報じ、日本メディアの報道を引用、日本人が中国で臓器移植を受けて死亡したことを明かし、中国国内で法輪功への集団弾圧が始まってから、臓器移植の数が急激に増加した事実に疑いの目を向けた。

公正かつ良識のある立場を堅持すべき

劉達文氏は、香港のメディアは現在報道への自己審査が非常に厳しいと指摘、メディア関係者は道義と良識を有すべきと述べ、「公正かつ良識のある立場を保持、間違ったことについて、(中共政権と関連のある)敏感な問題だから無視するのはいけないのだ。そのような社会には公正と良識が失われ、悪勢力が助長し続け、最終的には社会を支配してしまう」と語った。

劉氏は、一部のメディア関係者は「冷血」であると批判、報道は客観的であるべきで、偏りがあってはならない、しかし民主のない社会ではこのような常識が通用しないと指摘、「記者(メディア)は、民衆の苦しみに耳を傾けるべきだ。もし不公平や不正を目の当たりにしても、まったく無関心であるならば、ロボットであり、人間ではないのだ」と力説した。

中共政権が生きている人の臓器を強制摘出する内幕について、劉達文氏は、「初めてこの情報を聞いたときに非常に驚いた、そのような残虐なことが発生しているなんて、想像もできない。しかし中共の反応は非常に無力なものだった。私はこの告発が本当のことだと確信している。なぜならば、中共は正真正銘の拝金主義者だからだ」と語った。

臓器狩りは実際に行われている

劉氏によると、1993年に「前哨」誌は、広東省の旅行雑誌のとある報道を転載した。その報道は国内の臓器売買の闇商売を漏らしていた。死刑執行のときに、ある病院の医者などが現場で待機し、処刑直後の遺体から臓器を摘出、冷蔵保存の状態で病院に持ち帰るという。劉達文氏は「この雑誌は中共政権の機関誌であるため、内容は非常に詳細で、捏造である可能性はない。(このことを報道したため)後にこの雑誌は停刊処分を受けた」と明かした。

劉氏はもう1つの出来事を語った。それによると、このほど香港記者が深セン市で取材する際に、暴行を受けた上、携帯電話も強奪された。ビデオ録画の証拠があるにもかかわらず、現地の警察は事実関係を否認し続けていたという。「蘇家屯秘密収容所の存在は絶対に事実だ」と劉氏は語った。

米国「新唐人テレビ」の記者などが中国現地で秘密収容所の真相を調べるために、中共政権に調査許可を求め、拒絶された件について、劉達文氏は、中共のやり方は完全に報道自由の準則に反していると批判した。

「前哨」誌は、大紀元記者・王文怡のホワイトハウスの歓迎式典での抗議行動に関する説明文を掲載したことについて、劉氏は「この文章に非常に感動した。彼女の気持ちを理解でき、共感を覚えた」と説明し、中共政権による法輪功への残虐の集団弾圧を強く非難した。

反対するための反対はない

外部からの圧力や、反共産党の罪を被されるのは、恐れていないかとの質問に、劉氏は「私が反対するのは、中共政権の一党独裁であり、『反中共』と『反中国』を混同してはならない。私は愛国者なのだ」と答えた。

(記者・林怡)