「九評」シンポジウム:蘇家屯・臓器売買事件の信憑性について(1)

2006/03/14
更新: 2006/03/14

【大紀元日本3月14日】オーストラリア大紀元時報は3月11日、シドニーで「九評(共産党についての九つの論評)」シンポジウムを開催した。参加者らは、最近暴露された中国蘇家屯での臓器売買事件に強い関心を示し、質疑応答の時間には、白熱の議論が展開された。

参加者からの質問:蘇家屯事件、鳥インフルエンザ事件について、何故主流メディアは報道しないのか?大紀元の報道の信憑性を疑うが

自由主義法学家・袁紅氷氏は、グローバルなウェブサイトおよび新聞が、ある事件をトップニュースで報道した後、72時間が経過すると、米国内の事件の場合、政府当局がまず事実を明らかにすると述べた。もし蘇家屯のような集中収容所が存在しなければ、米政府は報道したメディアに対して責任追及をするだろう。蘇家屯事件の報道が発表されてから既に72時間が経っているが、未だに中共が沈黙を守っているということは、これらの報道内容が事実であると確信できると述べた。

同氏は、SARS発生当時、北京当局がWHOの検査を逃れるために、多くの救急車にSARS患者を乗せて、町中を走り回っていたことに言及した。当時の衛生部長・張文康氏は記者会見で、北京は最も安全であり、北京にSARSは発生しておらず、中国は安全であると発表している。ここまでウソをつく政府に対して、証拠に基づいて原則上有罪であることを確定できると示した。

自由主義法学家・袁紅氷氏(大紀元)

袁氏は、1959年から1961年の間、中国大陸で4000万人が餓死したことについて、中共が対外的には、3年間の自然災害によるものであると言い切ったことに言及した。しかし、当時の気象記録調査によると、その3年間の気候は非常に穏やかだったことが分かっている。小規模の自然災害はあっても、全国的な悪影響には及ばなかったという。実際、多くの人が餓死した原因は、毛沢東が史上最大規模の集中収容所である「人民公社」を建設したからである。袁氏は、今回の蘇家屯事件について、中共が否定しないことは、事実だと断定できると指摘した。

中国問題学者・陳弘シェン博士(大紀元)

中国問題学者・陳弘シェン博士は、大紀元以外の主流英語メディアがじきに報道することは期待できるが、中国語の新聞は報道しないかも知れないと述べた。なぜなら、殆どの中国語新聞社は親中であり、中共の圧力を恐れるためであると分析した。また、陳博士は、SARS発生当時、上海当局は対外的に4人のSARS患者および1人がSARSに似た症例で発見されたと発表したことに言及した。しかし、当時、同氏が中国上海に在住する豪州の友人に電話で尋ねたところ、友人の会社の従業員140人のうち、既に3人が、SARSに似た症状が出ていたという。同氏は、それらの会社は中共の統計対象には入っていなかったのだろうと述べた。

世界平和連盟大使・トレイシー氏(大紀元)

世界平和連盟大使・トレイシー氏によると、第二次世界大戦の終わり頃、米兵がナチス集中収容所へ到達するまで、収容所を暴いたメディア報道はなかったと述べた。しかし、集中収容所は確実に存在し、中で経験した残虐な扱いは、多くの米兵を苦しめた。トレイシー氏は、独裁政権がいかに新聞および情報を厳しく封鎖していることを指摘した。

参加者からの質問:報道の顔写真は何故ぼかすのか?何故大紀元だけが報道しているのか?報道内容の信憑性は?

質問に対し袁紅氷氏は、中国には思想の自由、言論の自由、新聞の自由がなく、情報提供者の身の安全を守る必要性があると述べた。現在中共の刑務所にはまだ多くの政治犯、良心的囚人および思想犯が監禁されており、有名なのは張林氏、師濤氏、鄭怡春氏、楊天水氏などである。最近では、貴州でも、海外で文章を発表したとしてある記者が重刑を科されている。中共は国家テロ主義を極め、民衆の思想および言論の自由を抑圧しているが、大紀元が内幕を暴露する時は、情報提供者の身の安全を考慮し、顔をぼかしていると説明した。

また、袁氏は何故大紀元のみ報道しているのかについて、大紀元はニュースをキャッチする能力が他のメディアより優れているからであると述べた。

袁氏はさらに、信憑性について実証すべきであると強調し、ネット上で提案されたように、直ちに国際調査グループを結成し、蘇家屯へ派遣する必要があると述べた。しかし、同氏は、中共が国際調査グループの捜査を受け入れる度胸があるかは疑問であると述べた。

(続く)