米フロリダ:両岸問題の現状と中国の未来を討議

2006/03/11
更新: 2006/03/11

【大紀元日本3月11日】全僑民主平和連盟・フロリダ支部および大紀元時報が主宰した「2006年海外華人の新構想」研究討論会は3月4日、フロリダ州マイアミのペンブロク・パイン市で開催され、大きな反響を呼んだ。異なる分野の5人の専門家や学者が来賓として招かれ、台湾、大陸、香港、スペイン、キューバなどの70近い団体の有識者が一堂に集まり、中共の暴力統治および威嚇・脅迫下における両岸の現状と、中国における平和的民主未来の新構想について、研究討論を行った。

我先にと質問・発言する参加者(大紀元)

聶森氏:2つの「800万」が啓示するもの

米国カトリック大学工学部教授、大紀元時報ワシントン支社社長・聶森博士が発言(大紀元)

大紀元時報ワシントン支社社長・聶森博士は、中国大陸のあちこちの町で、暴政に対する抗議運動は昨年一年で820万人を超え、平均にして1日に5000人がかかわる流血事件が起きていた。同時に、中国共産党員の脱党ブームにより、昨年で800万人に上る共産党関連組織離脱声明発表について言及した。

聶氏は、この2つの「800万」の数字は、中国が人権が擁護されていないことに対する社会不安を表し、いつでも「辛亥革命」と類似することが起きうると示した。また、知識層の大量脱党は、中共が民衆から見放されている事実を示した。同氏はまた、声明を発表した脱党者らは中国31の省に分布し、命の危険に晒されているとし、彼らを支援し、脱党の自由を保障させるべきであると主張した。同氏は、シカゴ、欧州連盟の議会決議による支援を例示した。

陳奎徳氏:両岸の民衆が共に関心を寄せる5つの問題

プリンストン中国学社研究院兼執行主席、「観察ウェブ・サイト」編集長・陳奎徳教授(大紀元)

プリンストン中国学社研究員兼執行主席、「観察ウェブサイト」編集長・陳奎徳教授は、両岸の民衆が共に関心を寄せるべく5つの問題を提起し、次のように述べた。①インターネットによる民衆の一部の言論自由および集会結社自由の実現。民衆はある程度、自ら政治見解を表現することが可能となった②法輪功を含む信仰団体が中共の暴力的弾圧によって、さらに中国社会にとって重要な精神的支えになった③人権擁護弁護士らの出現は、中国の司法独立を促した④信仰団体および人権擁護者らの連携活動は、中国民間における2つの重要な力の結合となった⑤中国大陸の変遷と台湾の静かな革命の違いを上げた。同氏は、5つのことを総合し、中国大陸の将来を語った。

楊明倫氏:台湾は何故中共と統一問題を論じないのか?

楊氏は、台湾人民には「血と涙、命」で言論の自由を手に入れた歴史があった。一方、大陸では中共の強力の制圧下で、人民は知的権利、言論の自由がなく、メディアも報道の自由がないため、「中共当局および政治政策を批判する権利」もないと述べた。同氏は、「国家統一綱領」の内容は2005年3月に策定された「反国家分裂法」と類似しており、両方が「主権在民」の精神に反していると指摘し、「台湾の未来は、台湾人民が選択するものである」と主張し、台湾が中共と統一の問題を論じたくない理由はそこにあると述べた。

同氏は、今年2月25日に高雄市で「反迫害、共産党を脱党した830万人を声援する」数百台の車両パレードによるキャンペーン活動が、台湾人民の自由選択の表現であると示した。

李維氏:政治難民の問題

フロリダ州で移民手続きに携わる李維弁護士(大紀元)

大紀元ネットの「移民問答」コーナーを持つ作家・李維弁護士は、自分自身が天安門事件当時、政治庇護によって米国に在留しており、同じ境遇にあった大陸の人々を助けたい志を貫き、移民に携わる弁護士の職業に就いたと話した。同氏は、政治体制および生活環境の中で、異なる信仰や政治見解による深刻な迫害を受けている法輪功学習者、家庭教会メンバー、民主活動家、中共政府に異議を唱える人々が政治庇護を求めているとし、中国の人権迫害問題は中国だけの問題ではなく、西側諸国が巻き込まれることを避けては通れないとの見解を示した。

同氏は、同研究討論会に大陸出身華人の参加者が少ないことについて、中国大陸の民衆は共産党の迫害を恐れているから、同討論会に参加しなかったと分析、これは中国人の悲哀であり、中共政権の恥辱であると述べた。

大紀元時報のコラム作家・章天亮氏が発言(大紀元)

章天亮氏:末世における悪党らの狂乱および民衆の覚醒

大紀元時報のコラム作家・章天亮氏は、中共はまるで「理性を失い狂乱状態に陥った、すっからかんになったばくち打ち」であるとし、多くの上訴者に対する弾圧および法輪功に対する迫害は、非理性的行為の自然拡張であると述べた。また、法輪功学習者が強権を恐れず、長期にわたり中共の迫害暴行を全面的に暴露している行動は、暴力迷信に取り付かれている中共を、手を拱いて成すところを知らない状況へ追い込み、徹底的解体に直面していると分析した。

同氏は、「九評共産党(共産党についての九つの論評)」および脱党ブームは真の民意を表し、中国民衆の道徳覚醒の現れてあると述べた。幾千万の脱党民衆および法輪功学習者が、未来の中国における道徳および文化を再建の中堅とし、平和的方法により中国を自由社会へ転換できることを示唆した。同氏は、共産党の崩壊を促すために、脱党活動に対してより多くの人の声援を呼びかけた。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。