洗脳に使われる歌、日本で放送へ(下)

2006/01/17
更新: 2006/01/17

【大紀元日本1月16日】中国中央テレビ(CCTV)の歌謡番組「同一首歌」の日本公演として「第2回日中友好歌謡祭」が昨年10月東京で開催され、今月17日午後11時からNHK-BS2で放送予定。この歌謡番組の主題歌「同一首歌」(「同じ唄」)が中国の強制労働収容所で法輪功学習者の洗脳に利用されていることが、迫害を受けた法輪功学習者の証言によって明らかになった。

この歌謡祭は旧正月を中心に、米国・カナダなどでも巡回公演する予定。各地の中国大使館は大々的に宣伝攻勢を繰り広げている。専門家は「こうした歌謡祭の開催は、地方官僚の腐敗や暴動事件、抗議運動など国内問題を多く抱える中共政権が自らを美化・誇示し親共勢力を拡大する企みであり、それに対向する新唐人テレビ局の『新春グローバルガラ』を妨害する意図も明らかである」と分析している。

新唐人テレビの『新春グローバル・ガラ』を妨害

中共による今回の巡回公演の一つの目的は、新唐人テレビ局が主催する中華伝統文化を中心とした演目のガラ・コンサートを妨害するためと見られている。

新唐人テレビは独立・非営利目的の中国語放送局であり、中共政権の国内における言論規制を打破するために、中国系アメリカ人有志者により設立された。目的は全世界の華人に客観的かつ正確なニュース、情報を提供し、中国語メディアの多元化と報道の自由を促進することである。中国本土でも、約4千万から6千万世帯の家庭が新唐人の放送を受信できる。そのためこのテレビ局は常に中共政権から恐喝や妨害などを受けている。

昨年4月15日、新唐人テレビに通信衛星を提供するフランスの業界大手ユーテルサット社に対し、中共は巨額な経済利益の提供と脅迫手段を使い、契約の打ち切りを背後で要求したが、米政府と欧州各国の政治家の働きかけによって、この陰謀は阻止された経緯があった。

中共政権による数十年の独裁で、中華民族が伝統文化の多くを失った。その伝統を復興させようと、新唐人テレビは2004年旧正月から「新春グローバル・ガラ」を開催し始めた。過去2年間で成功を収め、観衆から「真の中華伝統文化を見せてくれた」などの賛辞が多く寄せられた。

そのような状況の中で、中共政権が製作した歌番組の世界各地での巡回公演は、内容や、宣伝手法、出演場所、入場チケットの大量無料配布などから新唐人主催の「新春グローバルガラ」を妨害していることは明らかである。

ある評論家は中共政権が新唐人テレビを恐れる理由についてこう語った。「中共政権による数十年の統治は虚言と詐欺で維持してきた。国内外の華人がいったん本当の意味で真相を把握でき、中共の邪悪な本質を見破れば、中共政権も終焉を迎える」。

中華民族の伝統文化を破壊した野蛮な共産党文化の粉飾宣伝

ある関係者は「中共の行動は、華僑の愛国情緒と故郷を懐かしく思う心情を巧みに利用した政権の粉飾宣伝である」と見方を示している。

有名な時事評論家・陳勁松氏は、大紀元の取材に対し、「中共の共産党文化は、虚言や、詐欺、暴力、略奪などの集大成であり、中共政権は中華民族の伝統文化を破壊した上に成り立っている。どんなに粉飾宣伝しても、中共による民族に対する歴史的な犯罪は隠ぺいできない。彼らの行為は中華伝統文化に対する最大な冒涜と侮辱である」と厳しく批判した。

海外に在住する中共政権の被害者らは遺憾の意を表明

シンチンさんは中国芸能界関係者に宛てた公開書簡の中で、1930年代にナチスの宣教者と称されたドイツ女優レニ・リーフェンシュタールの人生転落劇を例に挙げ、「中共の陰謀と罠に惑わされ、中共政権の粉飾宣伝や、罪状隠ぺいに手助けすることは、自ら培ってきた名誉などを台無しにしてしまう」と助言した。

1930年代にリーフェンシュタールは「意志の勝利」や「オリンピア」などのナチスを讃えるドキュメンタリー映画の監督を務めた。ヒットラーの暴政が崩壊した後、数年間も投獄され、ナチス同調者の汚名は拭えず、映画芸術家としての生命の道は一生涯閉ざされた。

広州市花城出版社で美術編集者を努めた王恵敏さん(法輪功学習者)は、中国から北米に脱出したばかり。彼女は「『同じ唄』曲自身は罪がないかもしれないが、中共政権により信条の圧制、民衆の迫害に悪用された音楽であるため、このような音楽が世界の都ニューヨークに上陸することは、文明社会の民衆を侮辱するに等しい。羊を『慰問』する狼である」と指摘した。

最後に、シンチンさんは国際社会の善良な人々に、こう語りかけた、「海外にいる我が同胞よ、情熱溢れる各界の人々よ、皆さんがいま耳を傾けているこの中共政権のテーマソング『同一首歌』は、中国国内の刑務所で残酷な拷問に耐え切れず、洗脳されてしまった法輪功学習者たちが強制的に唄わされる歌であると知ったら、どう思われますか。歴史におけるこの1ページが開かれたときに、あなたは子孫に向かって、『邪悪には同調しなかった』と誇らしく言えるでしょうか」。

(記者・辛フェー)