タミフル、鳥インフルエンザの治療効果にも限界

2005/12/06
更新: 2005/12/06

【大紀元日本12月6日】タミフルの鳥インフルエンザに対する治療効果の問題について、ベトナムの専門医師が12月4日、英国サンデー・タイムズ紙のインタビューに対し、治療効果は思わしくないと示した。

ハノイ熱帯疾病センター集中治療病室主任・阮祥文(ラン・シァンウェン)医師は、世界保健機関(WHO)の指示に従い、41人のH5N1ウイルス感染者に対してタミフルを使用して治療を行ったが、効果は思わしくないと述べた。阮医師は、タミフルは一般のA型インフルエンザに対する治療薬であり、H5N1ウイルスに対する治療薬ではないと主張している。

過去、重症急性呼吸症候群(SARS)の治療を手がけた阮医師は、鳥インフルエンザウイルスは人体に対する破壊力が極めて強く、今のところ感染者の内臓器官の機能を継続させるには、呼吸器および透析などの現代医療技術を利用するのみだと述べた。

現在、すでに40数カ国がロシュ社に対してタミフルを大量発注しているという。阮医師は、医学界は外部に対して鳥インフルエンザに対するタミフルの治療効果の限度を説明すべきだと強調した。

WHOはアフリカでタミフルの投薬後の効果が思わしくなかったことについて、感染者が後期になってから投薬したからだと指摘した。実際、WHOは政府関連以外の機構に対して、タミフルを備蓄することを勧めておらず、各国政府の財力および公共衛生の需要に基づいて行うべきだとした。すなわち、鳥インフルエンザ感染の拡大を防ぐ、または感染の緩和に使用すべきだと主張した。

WHOはまた、未感染者がタミフルを使用する場合、ウイルスが耐性を生じさせる可能性が高く、実際に感染した際の治療効果を弱めることになるとし、未感染者のタミフルの服用を勧めないと示した。

ロシュ社は、タミフルは鳥インフルエンザの拡大を有効的に防ぐことができるとした。しかし、感染者に対して発病48時間以内の投薬のみ、効果が発揮できると強調している。