【大紀元日本11月1日】中国商務部が8月に公表した調査報告によると、ここ数年巨額の国家資金を不正流用し、海外に姿を暗ました官僚の数は、4,000人あまりに達し、約500億ドルが持ち逃げされたという。中国当局は官僚腐敗を取り締まる姿勢を強化し続けているが、官僚腐敗問題も益々深刻になる一方だ。近年では、巨額資金を持ち海外に逃亡する幹部の人数が日々増えており、幹部の階層も高層化傾向がみられる。
汚職官僚とその家族らは海外での生活ネットが構築されつつある
中国本土の「毎日経済」紙の報道によれば、ロサンゼルスや、ニューヨーク、ハワイ、ヒューストン、バンクーバー、トロントなどの大都会で、高級自動車に乗り、ブランド品や高価な宝石に身を包んだ神秘的な中国人グループが形成されている。彼らは、現地の華僑団体の活動に一切参加せず、おおやけでの顔出しを控え、謎深い行動をとっているという。
北米や、ロンドンに留学している中国人留学生の一部は、金遣いが派手で、マンションに住み、高級車を乗り回し、「中国坊ちゃま」と呼ばれている。親は企業家や、エリートサラリーマンである以外に、中国官僚が多く含まれているという。カリフォルニア州のある中国語メディアは「今の中国留学生はBMWやベンツを乗り回している、中国は本当に金持ち社会になったのか」と疑問を投げた。
汚職官僚が海外逃亡の背景
多くの汚職官僚は最初から綿密に資金流用計画を立て、海外で贅沢三昧できる莫大な資金を「調達」できた後、国外に逃げるというケースが多く見られる。河南省タバコ専売局の前局長・蒋基芳や、武漢市長動グループ総裁・于志安などは典型的な例である。中国当局の「国外逃亡汚職高官リスト」に名前がある于志安(70歳)は1995年フィリピンに逃亡し、同年12月にアメリカに入国した。情報筋によると、彼が巻き上げた国家資金は1,000万ドルに達するという。中国銀行広東支店の職員が5億ドルの銀行資産を流用した事件は、国内で大騒ぎとなったが、主犯格の5人は全員海外逃亡し、そのうち3人はカナダで豪華な生活を送っているようだ。
海外逃亡のパターンは、最初は妻子を出国させ、次には巨額の不正資金をマネー・ロンダリングなどの手法で海外に移転し、最後には官僚本人が逃亡し、海外で家族と合流する。不正流用金額が低い人は周辺国家のタイや、ミャンマ、マレーシア、モングル、ロシアなどを逃亡先に選ぶが、調達した資金が多く、身分の高い官僚らは、アメリカや、カナダ、オーストラリアなどの国に潜伏する。欧米先進国の入国許可を一時得られない人たちは、まずアフリカや、南米、東ヨーロッパ、香港で身を潜め、機会を伺って渡航するという。
公金の海外不正流出実態
中国官僚による公金私的流用問題は非常に深刻である。最高人民検察院反汚職局局長・王建明氏は、2000年から20万人以上の汚職官僚(省レベルの高級官僚が少なくないという)が摘発されたと明かした。国家外貨管理局の調査では、1997年から1999年まで、海外に不正流失した資金総額は約100億ドルだとしているが、北京大学の専門研究によれば、海外に不正流失した資金額を年別で計算すると、1997年は364億ドル、1998年は386億ドル、1999年は283億ドルに達するという。
香港の官僚汚職監督署(廉政公署)は、2002年に巨大な国際マネー・ロンダリング組織を摘発した。香港警察の調査によると、この組織は1996年から2002年まで5年間で、500億香港ドル(約75億ドル)を手がけたという。しかしこのルートは闇社会に既存する数多くの違法組織の1つに過ぎない。中国広東省の恵州市恵東県平山鎮の劉氏兄弟は、地下銀行を設立、「取引が終了した後も身分が知れない」との極秘システムを売り物に、摘発されるまでの3年間で20数億円(約2.5億ドル)をマネー・ロンダリングした。
ある専門家は毎年中国から不正流失するブラックマネーは2,000億人民元(約250億ドル)に達すると見ている。毎年中国の国際収支統計資料の中、「誤差と遺漏」項目には、約100から200億ドルが計上されている、数年の累計ですでに1,000億ドルを超えているという。一部の経済学者は、多くの資金流出が記録されなかったため、実際の数字はもっと莫大であると分析している。過去3年間、香港の「外来直接投資額」は1998年の147億ドルから2000年の643億ドルに跳ね上げ、「地下銀行」によるマネー・ロンダリング資金が多く含まれているという。それらの不正流失金の中、留学のルートで流出した資金は含まれていない。中国人事部の発表によると、2003年まで、中国の海外での留学生はすでに46万に達し、世界103か国と地区を分布している。一人当たり毎年10万元人民元(1.2万米ドル)の費用で計算すると、総額は460億人民元に上るという。
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