新唐人テレビ長期放送契約を更新、中国当局が妨害工作

2005/09/06
更新: 2005/09/06

【大紀元日本9月6日】アメリカに本部を置く中国語テレビ局・新唐人テレビ(以下、新唐人)が2日、放送衛星の所有者であるユーテルサット社(以下、ユ社)と交渉の結果、アジア向け放送の長期契約を更新したと発表した。契約更新を巡っては、今年3月から、新唐人とユ社の衛星契約更新を阻止するため、巨額の利益供与等によりユ社を不当に誘引する方法で、中国共産党が同契約更新交渉に背後から干渉するといった複雑な経緯があった。

歴史的な突破

今回の契約更新に伴い、新唐人は以下のコメントを発表した。

ユ社との歴史的な協力関係が締結されたことを嬉しく思う。これからもユ社には不当な差別の禁止、公平なビジネス運営と多元化情報流通という原則の遵守を願う一方、引き続き報道自由の支持者らによる応援を期待している。

今回の長期契約の更新は歴史的に大きな一歩と認識している。報道の自由は、国際メディアの価値基準として定着し、中国共産党の独裁制度に屈するものではないことが確認された。国際メディアによる中国大陸向けの自由な放送の開拓に、重要な第一歩を踏み出した。

今回の契約更新を通じ、全世界の新唐人のスタッフは、人間が人間として生きるために必要最低限の状態を保障する人権の重要性を再認識した。しかしながら、一部の国では、国民は依然として、言論の自由、情報の自由及び信教自由等が保障されていない。新唐人は全世界の視聴者と報道の自由を支持する人々の声援に深く感謝の意を表すると共に、情報を自由に伝達・伝播する権利を得たことを光栄に思う。

国際社会の熱い声援

中国共産党による背後からの強力な干渉により、今年3月、ユ社は合意されていた契約更新の拒否を一方的に新唐人に通告した。この出来事は各界の注目を集め、アメリカ、ヨーロッパ、カナダなどの各国政府、メディア、人権団体、一般市民から多大な支持と力強い援助が寄せられた、ユ社は、EU条約上の衛星放送に関する規程に違反し、またヨーロッパ人権条約に定められた表現自由及び情報取得の自由を侵害したとして、各界から強く非難された。

107人の米両院議員は連名でブッシュ大統領に親書を進呈。米政府に報道と言論の自由を抹殺するこのような動きを阻止するよう強く要請した。EUの60数人の議員や、カナダの58人の国会議員、EUの緑の党、国境なき記者団、国際記者連盟、フランス前政府要人、イタリアの議員らは、ユ社高層部に嘆願書などを送付し、新唐人テレビとの契約更新の合意を履行し、報道の自由を遵守することを促した。

AFP通信や、AP通信などの主要メディアは、この事件を追跡報道し、3月17日ウォール・ストリート・ジャーナルのヨーロッパ版報道では、「新唐人テレビの騒動」の題名で評論文を発表し、「言論の自由の保護者を自認するユ社が新唐人テレビのアジア向け衛星放送を中止に追い込む行為に及ぶことは、二重の基準を設けることに等しく、中国共産党の圧力に屈したことを示すものである」と指摘した。

一連の努力を重ねた末、新唐人は2日にユ社と長期契約更新の合意に達した。

新唐人テレビは、視聴者とすべての支持者に感謝の意を表した。「皆さんの熱い声援がなければ、新唐人の現在と未来はありません。中国大陸において、中国共産党が自由な衛星放送を容認することはないでしょう。彼らは我々の報道を引き続き妨害してくるでしょうが、報道の自由を守るために、これからも皆さんの多大な応援を期待しています」

新唐人テレビの概況

新唐人は独立・非営利目的の中国語放送局であり、2002年2月米ニューヨークで、中国政府の国内における言論規制を打破するために、中国系アメリカ人有志により設立された。2003年7月からアジア、ヨーロッパ、豪州と北米向けの24時間衛星放送を開始。現在、全世界に約60あまりの事務所を擁している。

新唐人の目的は全世界の華人に客観的且つ正確なニュース、情報を提供し、中国語メディアの多元化と報道の自由の促進することである。新唐人のモットーは、公正、最善の努力、及び高品質であり、将来的には全世界の華人に擁護されるメディアを目標にしている。

新唐人の衛星放送は24時間、年中無休で、アジアや、ヨーロッパ、豪州と北米など向けて無料放送を提供している、Kuウエーブ・バンドの衛星放送の利用者はすべて受信できる。

中国本土では、約4千万から6千万世帯の家庭が新唐人の放送を受信できるほか、全世界で約2億人の視聴者が受信可能。ネット上でも視聴できる(http://www.ntdtv.com)。

(記者・辛霏)

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