アジアタイムズ紙:ロシア、台湾海峡衝突に不介入と分析

2005/08/26
更新: 2005/08/26

【大紀元日本8月26日】中露合同軍事演習をめぐり、香港紙「アジアタイムズ」はこのほど、中露の軍事演習における目的がまったく異なるとして、第三国問題で両国が協調して軍事行動を起こす可能性は極めて低いと分析した。ロシア政府は1つの中国の主張を支持しているが、台湾海峡問題には不介入の姿勢を示しているという。

報道によると、ロシア側は当初ロシアのキルギス空軍基地に近接する中国北西部新疆自治区を演習地区に提案したのに対して、中国側は台湾の向かいに位置する南部の浙江省を提案した。ロシア側が中国側の提案はあまりにも挑発的であるとし、最終協議の結果、両国は演習地区を北部の山東省膠東半島と黄海海域に決めたという。こうした経緯から、ロシアは台湾海峡問題に不介入の意向を示していると同紙は分析している。

中共側は、中露合同軍事演習を通して、海域領土紛争問題において北京が自国の利益を守る能力を備えているとの示威的なメッセージを日本に発信する意図があるが、ロシア側は日本に対して別の意図があるという。

ロシア政府はこの数ヶ月間で、中日両国間にシベリア石油の買収をめぐって競争させることに成功した。さらに、ロシアのプーチン大統領は、11月に来日を予定しており、小泉首相と北方領土問題やエネルギー分野の協力について会談すると言われている。今回の中露合同軍事演習はその際のカードとして使えるとし、日本政府にロシアの選択肢は多岐であることをアピールしたいのがロシアのねらいであると同紙は分析している。

今回の演習は、中国側にとっては軍の実戦訓練である上に、台湾や近隣諸国に中国海軍の実力を証明するのが目的だが、ロシア側にとっては、莫大な軍事演習費用はすべて中国側が負担する上に、ロシア空軍の実戦訓練やハイテク武器の威力を確認できる機会であり、中国向けの武器ショーの絶好の機会としている。これこそがロシア側の真の目的であると同紙は指摘している。