中国領事館が憎しみを扇動、カナダが有罪の先例を

2005/07/21
更新: 2005/07/21

【大紀元日本7月21日】2005年6月23日、カナダ・エドモントン(Edmonton)市警察が司法庁に対して、駐カルガリー市中国領事館官員が行った法輪功に対して憎しみを扇動する宣伝に関する調査報告を提出した。報告では、2004年駐カルガリー市中国領事館官員がエドモントンで配布した法輪功に関する冊子及び録画類の資料が、憎しみを扇動する宣伝に当たると断定。これらの資料はカナダの刑事法に抵触しているとし、アルバータ州司法庁は当報告について審理を行い、中国領事館官員を起訴するか否かを採決する。

カナダ警察側の裁決

法輪功学習者ルーシ・周さんは、2004年6月、エドモントン市のある会議上駐カルガリー市の中国領事館官員が行った法輪功をけなす書籍及び音声資料の配布を目撃した。法輪功学習者は直ちに地元の警察に通報し、警察側が当件について初めて調査を行ったと話した。

当案件を担当するエドモントン警察局調査グループの警察官ステファン・カンプ氏(Stephen Camp)は、「エドモントン・太陽日報」のインタビューに対して、慎重に取り扱うために、一年間に亘り調査をしたと話し、更に法律専門家の意見も取り入れたという。カンプ氏の調査結果は、これらの資料は確実にカナダの憎しみを扇動する宣伝に関する法律に抵触していると断定した。

ルーシ・周さんは、これらの資料は中共及び元首相・江沢民が法輪功を弾圧してから、弾圧の合法化及び弾圧の内情を隠蔽するために作成し、法輪功をけなすものだと話した。資料の内容は極めて悪質で、全て根拠のないものだと指摘。

太陽日報は6月24日の報道では、カンプ警察官は当調査報告書をアルバータ州司法庁に対して提出した。カンプ氏は今回の調査報告はカナダでは前例のない初めてのこととし、カナダ警察はカナダに駐在している外国大使館や領事館に対して、当件と類似の調査は今までになかったことだと話した。

カンプ氏は「我々の町で憎しみを扇動する宣伝資料を配布していることが分かれば、警察は出向く。資料を配布するのが誰であろうか、何の仕事をしていようかは関係ない。憎しみを扇動する資料自体がカナダ国家の基本的価値に違反している。彼らが憎しみの扇動を宣伝していれば、彼らは明らかに法律に違反している。」と話し、警察官として職責を果たさなければならないと主張。

カンプ氏は、カナダの刑法によれば、故意に憎しみをまき散らしたりすることまたは、確認可能の団体に対して反対する行動を禁じているとし、中国領事館官員が大量に配布した資料の内容は法輪功をけなす内容ばかりだと指摘した。

エドモントン市のベルヴェデル地区(Belvedere)の国会議員デイビッド・キルガー氏(David Kilgour)は「エドモントン誌」のインタビューに対して、自分も中国領事館官員が配布した資料について研究したと話し、それらの資料はカナダの法律に違反していることを確認したと話した。

憎しみの宣伝はカナダの刑事法に違法、中国領事館官員は起訴される可能性が高い

カナダでは憎しみの宣伝罪(Hate Propaganda)は刑事法に属し、カナダ刑事法の第三百十八条から第三百二十条が憎しみの宣伝罪に関するものだ。憎しみの宣伝罪は主に計画的系統的にある種の言論、デマを飛ばし、または特定の情報を選択し、特定の人種、肌の色、宗教または異なる種族の団体に対して傷害を与えることを指す。

カンプ氏は中国領事館が法輪功をけなすために使用した資料は、第三百十九条第二節に分類した。当条例は、「確認可能の団体」に対して「任意に憎しみを扇動する」ことを禁止する。「確認可能の団体」とは、法律上で「種族、宗教、人種または性別について公式に識別できる」団体と定められている。

カンプ氏の報告書は今司法庁により審理されている。裁判官が中国領事館の官員を起訴するか否かの決定は審理後となる。

中共は法輪功に対する憎しみ宣伝、カナダが全国的に調査を展開

法輪功学習者ルーシ・周さんは、「エドモントン市の警察側が中国領事館の材料を憎しみの宣伝に認定したことは非常に意味が深い」と話した。周さんは、カルガリー市で配布された英文資料は全て中国大陸からのもので、数冊の小冊子及びビデオテープの内容は中国大陸のメディアが報道した内容、または、強制労働収容所での洗脳用の資料の内容と殆ど同じであると指摘し、カナダの法律で言えば、中共が法輪功に対してしたことの全てが憎しみの宣伝となるのだと話した。中国が真に法治社会になるならば、真っ先に、中共が中国国内の法輪功学習者達に対する犯罪行為を中止しなければならない。

ルーシ・周さんは更に、今回の案件は中共領事館が海外における法輪功の迫害を広げる行動を歯止めとなり、中国領事館の官員、親中の華僑団体代表らを含む全ての人は、カナダで法輪功に対して憎しみを扇動しようとする行為を止めなければならないことを強調した。

カナダの法律により、エドモントン市警察側が始めて、中国領事館が配布した反法輪功の小冊子が憎しみの宣伝になる資料と確定した。周さんは、カナダ各地で類似事件に対して、警察側に報告すれば、直ぐに受理されると話した。カナダ政府がこれら憎しみを扇動する資料の進入を断ち切り、カナダで憎しみを扇動する中国大使館及び領事館官員をカナダから追放すべきだと主張。

著名な人権弁護士デイビッド・マタス氏(David Matas)は、カナダは中国の企みによる、憎しみ宣伝のステップになることを許してはならないと話した。エドモントン市で発生した憎しみの宣伝事件を見れば、世界中、中国大使館または領事館のあるところで同様なことが明らかに起きていると指摘。各地区の警察は、エドモントン市が取った方法と同じように処理し、法輪功学習者に対する迫害を制止すべきだと主張した。