母の塾の生徒のM君は、幼稚園のころから落ち着きがなく、いつもいたずらをして叱られていた。園長が、母のところに連れてきた。どうやら母親に問題があったらしい。母親のTさんが思い余って、児童相談所にM君を連れてゆくと、相談員がありとあらゆる玩具がいっぱい並べてある大きなホールにM君を連れていき、「どれでも好きなもので遊んでごらん」と言うと、M君は他のおもちゃには見向きもせず、真っ先に向かったのは砂場だったという。そしてセーターを脱いで砂場に入った。
モノを溜め込む人が住む場所には、たくさんの雑多なものがありスペースを埋め尽くしている。彼らにとって物を捨てるという事は難しく、彼らは「物を大切にする」というコンセプトを堅持し、「捨てる」ことに慣れていないのかもしれない
2021/12/09