10月31日、欧州の複数の国で大規模な抗議デモが行われ、数万人が街頭に繰り出した。参加者は生活費の高騰や教育資源の不足、政府の緊縮財政政策などに抗議した。しかし、当初は平和的に行われていたデモが、ドイツ、フランス、スイスなどで相次いで暴動に発展した。当局者は、デモに過激派が紛れ込んでいたと指摘した。
ドイチェ・ヴェレ(ドイツの国際放送局)によると、10月31日、ドイツの30以上の都市で、若者主体の団体「Z世代が決める(Gen Z regelt)」が呼びかけたデモが行われた。数万人の若者が参加し、教育資源の不足や生活費の高騰、環境保護をめぐる問題などに不満を訴えた。
同団体は、人や財産に対するものを問わず、「あらゆる暴力に反対する」と明言していた。しかし、当初はおおむね平和的だったデモが、夜には暴動に発展した。
フランクフルト中心部では、覆面姿の暴徒が複数の店舗のショーウインドーを破壊して商品を盗んだほか、警察に火炎瓶を投げつける者もいた。
警察は特殊部隊を含む多数の警察官を動員し、各地で暴徒の鎮圧に当たった。翌11月1日未明までに30人を逮捕した。
警察は放水車や装甲警察車両、ヘリコプターも投入した。市中心部の一部を封鎖し、事態は明け方になってようやく沈静化した。
ヘッセン州のロマン・ポゼック内務相は、約100人の極左過激派がフランクフルトのデモ隊に紛れ込み、暴力行為を扇動したと述べた。
ベルリンやケルン、ハンブルク、ブレーメン、ライプツィヒなど、ドイツのほかの都市でも同様の騒乱が起きた。
ベルリン警察によると、デモはおおむね平和的に行われていたが、終了間際には投石や卵の投げつけ、塗料の吹き付け、花火や発煙筒の使用などの暴力行為が発生した。
ライプツィヒでも、デモの終了後に騒乱が起きた。警察によると、約250人が関与し、爆竹を鳴らしたり、花火を打ち上げたりしたほか、バス停の設備を破壊し、物を道路上に引き出した。
西ドイツ放送によると、騒乱には「Z世代」のデモ参加者だけでなく、ほかの集団も加わっていた。
ケルン警察のヨハネス・ヘルマンス本部長は、次のように述べた。
「平和的なデモを通じて自分たちの未来を切り開こうとしていた若者たちの中に、今日は暴力を振るうことしか考えていない過激派集団が紛れ込んでいた」
フランクフルト、ミュンヘン、ベルリンの3都市の警察による集計では、デモ参加者は計約1万8千人で、主催団体が公式サイトで発表した約3万6千人の半数にとどまった。
フランスやスイスでも暴動 ポルトガルではテントを強制撤去
フランスの首都パリでも10月31日、平和的に行われていたデモが夜には暴動に発展した。覆面姿のデモ参加者が警察に火炎瓶を投げつけ、警察は催涙ガスやゴム弾を使ってデモ隊を追い散らした。
フランスでは、生活費の高騰や教育問題に抗議するデモが、3週連続で週末に行われた。フランス政府の推計によると、31日のデモには全国で32万人が参加した。参加者の主な要求は、生活費の高騰への対策と教育問題の改善だった。

フランス当局は全国に約7万人の警察官を配置し、パリではデモの行進ルートを市の周辺部へ変更した。
スイスでも31日夜、チューリヒ中心部で覆面姿の一部のデモ参加者が放火し、花火を打ち上げた。警察は放水車に加え、催涙ガスやゴム弾も使ってデモ隊を追い散らした。
このような暴力を伴う抗議活動は、スイスでは極めて珍しい。現在、一部の左派団体や学生組織が、政府の緊縮財政政策に反対し、11月20日のゼネストを呼びかけている。
一方、ポルトガルでは31日、数千人が住宅費の高騰に抗議し、首都リスボンの中心部でデモ行進した。その後、参加者らはロシオ広場に50張り以上のテントを設置した。

翌11月1日、警察が広場に入り、テントを撤去した。テントの周囲にとどまっていた数百人のデモ参加者も、警察によって排除された。
警察によると、テントの撤去作業中、一部の参加者が警察官に瓶や塗料を投げつけた。警察は暴動鎮圧用の盾を使用したほか、警棒を使って参加者を追い払うなどした。
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