これは、ポッドキャスト「ビクター・デイビス・ハンソン(Victor Davis Hanson: In His Own Words)」の10月14日配信分を一部編集した書き起こしである。
今月、2023年10月7日の大虐殺から3年目を迎えた。何が起きたか覚えているだろうか。ガザから来た約4千人のテロリスト、すなわちハマスのテロリストが、便乗した2千人のガザ民間人を伴い、周到に計画された襲撃によってイスラエル国内へなだれ込んだ。彼らは17マイル(約27キロ)侵入した。イスラエル国防軍(IDF)と武装した民間人が撃退しなければ、さらに奥深くまで進んでいただろう。彼らはテロリストとその同行者たちのうち、およそ1千人を殺害した。
しかし、私が抱く疑問はこうだ。「なぜ今、ガザは瓦礫の山と化しているのか」。私たちはジェノサイド(集団殺害)、入植者による植民地支配、アパルトヘイトといった言葉を耳にするが、なぜガザは瓦礫となったのか。これには二つの側面から答えられると私は考えている。10月7日以前に起きたこと、そしてその後に起きたことだ。
まず、その後に何が起きたかを見てみよう。イスラエル政府は10月8日、そしてその後20日間にわたり、ハマスに対して二つのことを要求した。251人の人質を解放すること、そして虐殺の首謀者と参加者を引き渡すことだ。イスラエルはガザへ侵攻するまでに20日間待った。その20日間に、ガザ側は約8500発のロケット弾をイスラエルの民間人密集地に向けて撃ち込んだ。これらは軍事目標でも、軍民両用(デュアルユース)の目標でもない。民間人だけを標的としたものだった。
イスラエルが侵攻前に人質の返還とテロの首謀者の引き渡しを待っていた20日間、ハマスはその双方を拒否し、約8500発のロケット弾を発射した。最終的に彼らは合計1万3千発ものロケット弾をイスラエルに向けて発射したが、人々はその事実を忘れている。これが第1と第2の点だ。
次に、彼らはガザの地下に張り巡らされたトンネルの出入口に民間人を晒した。この迷宮のようなトンネル網はほぼ500マイル(約800キロ)におよび、出入りするには病院、モスク、学校、あるいは個人の民家を通らなければならなかった。大量殺戮の責任者であるハマスのテロリストたちは、この迷宮の中に極めて安全に身を隠す一方で、自らが犯した罪に対する報復の矢面に自国の民間人を晒したのだ。
たとえば、ロンドン空襲(ザ・ブリッツ)の最中、防空壕のバリケードを警備し爆撃を恐れる英国の防空要員が地下鉄に潜り込み、一般市民の地下鉄利用を拒否する光景を想像できるだろうか。そんなことは前代未聞である。しかし、まさにそれと同じことをハマスは実行したのだ。
そして第3に、当初から機会を狙ってイスラエルへ侵入し、殺人、略奪、窃盗、強姦を働く計画を持っていた民間人がおよそ2千人から3千人存在した。彼らは遺体の損壊、冒涜、人質拘束に加担した。その事実は明白である。拘束された者は数百人にのぼり、彼らのGoProカメラの映像や、キブツ(イスラエルの農業共同体・集落)の防犯カメラの映像が手元に残っているからだ。
ちなみに、襲撃に参加した6千人のうち、イスラエル政府は約4千人を排除した。残る2千人も、自らが標的となっており、命が長くはないことを自覚しているはずだ。
さらにもう一つの理由がある。なぜ、彼らが人質や遺体を連れ帰りガザの街を行進させたとき、歓声を上げる群衆に出迎えられただけでなく、その群衆が生きた人質に唾を吐き、殴打し、棍棒で叩き、戦利品として持ち帰られた死体を損壊しようとしたのか。
つまり、私たちが「罪のない人々」と呼ぶガザの民間人によるさらなる残虐行為を、虐殺を引き起こした張本人であるハマスのテロリスト自身が制止しなければならなかったという事実を考えてみてほしい。
では、なぜガザが瓦礫となったのか、10月7日以前の文脈から別の理由を探ってみよう。
2005年9月、すべてのイスラエル人がガザから撤退した。ガザの内部にはユダヤ人もイスラエル人も一人として残っていなかった。アメリカの慈善団体や寄付者たちが主要インフラ、とりわけ温室設備(ハイテクの農業用ビニールハウス)を買い取り、イスラエル側はそれらをガザ住民に引き渡した。しかし住民たちは自らの利益に反して、それらを即座に略奪し破壊した。極めて収益性の高い事業であり、活用することもできたはずだった。
要するに、ガザにはユダヤ人がいなかったのだ。これは今から21年前、あの10月の虐殺時点から見ても18年前のことである。つまり、ガザにイスラエル人が一人もいなかったにもかかわらず、ガザ住民とハマスのテロリストはイスラエル人を殺したがっていた。そして10月7日の時点で、彼らは18年もの間そこにはいなかったのだ。
さらに欧米、主に米国、欧州、国連は、2005年から虐殺の日に至るまでの期間に、ガザへ約400億ドルを供与した。彼らはドバイのようなリゾートを建設しただろうか。ハマスは定期的な選挙を実施しただろうか。男女平等を促し、信教の自由を認め、個人の市民的自由の保護を求める憲法を制定しただろうか。否である。
地中海に面した約25マイル(約40キロ)の手つかずの美しい海岸線を、ドバイに変貌させただろうか。否である。彼らは何をしたのか。ハマスが最初に行ったのは、選挙の対立候補を全員殺害することだった。彼らは2006年に選挙を実施して当選すると、その後の選挙をすべて中止した。そして続く18年間にわたり、ガザを支配するこの神権的テロリスト集団に異を唱える者をことごとく殺害した。
重ねて強調するが、彼らは400億ドルを流用して地下迷宮を建設した。その目的はただ一つ、テロリスト自身を守り、次なる残虐行為を計画・実行した際に自国の民間人を報復の盾にすることだった。
彼らの論理を考えてみてほしい。彼らは事実上、世界に向かってこう主張しているのだ。「我々は、自分たち以上にイスラエル側が自国の民間人に対して人道的に接することを期待している。したがって、我々は民間人が集まる場所――学校、モスク、病院――に出入口を設ける。なぜなら、イスラエル人はあまりに人道的であるためそうした場所を爆撃することはなく、我々は安全でいられるからだ」
言い換えれば、「民間人が殺されようと知ったことではないが、自分たちだけは助かりたい。そして、民間人を危険に晒している我々自身よりも、イスラエル人のほうが彼らをまともに扱ってくれるはずだ」と考えているのである。
要約しよう。
10月7日の後、彼らには合意に達し、実行犯を引き渡し、人質を解放するための20日間の猶予があった。彼らはそれを拒否した。それどころか、イスラエルの民間人を狙ったロケット弾で返答した。イスラエルが実行犯を捕らえるために進軍すると、彼らはトンネルに隠れてテロ行為を働き、意図的に民間人居住地に向けてさらに数千発のロケット弾をイスラエルへ撃ち込んだ。そしてイスラエル側がビラを撒き、巻き添え被害を避けて退避するよう各アパートの住人にテキストメッセージを送っていたにもかかわらず、民間人の犠牲が確実に出るように自国民を人間の盾にしたのだ。
10月7日以前、イスラエルは18年間にわたりガザから完全に撤退していた。選挙の実施を容認し、ガザにおける食料、水、下水処理、化学物質、燃料、電力の約20%から50%を供給していた。
ガザはエジプトと国境を接している。エジプトはガザ住民を受け入れたがっただろうか、支援したがっただろうか。否である。エジプトは彼らと一切関わりを持ちたがらなかった。
彼らは一度選挙を行った後、すべての選挙を取りやめ、自国民を苦しめ恐怖に陥れた。それにもかかわらず、イスラエルがジェノサイドを引き起こしたと今になって信じろというのか。2005年にイスラエルが撤退した当時のガザの人口は何人だったか。約130万人である。そして2023年10月7日時点では何人だったか。約240万人だ。
ジェノサイドを行おうとする国家や国が、標的となる地域から自国の軍隊と民間人を完全に撤退させ、わずか20年の間に人口が100万人も増加するのを座視することなどあり得ない。
この告発は荒唐無稽である。状況全体が不条理極まりない。そして何より不条理なのは、西側の人々が今なお「ジェノサイド」という言葉をオウム返しに繰り返していることだ。彼らが無視している世界各地の数多くの事例には当てはまる言葉であっても、10月7日以降にイスラエルが行ったことには決して当てはまらない。
ヘリテージ財団の出版物『デイリー・シグナル(Daily Signal)』の許可を得て転載。

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