騒音を減らし、大気や水を守る。環境規制そのものは、日本をはじめ多くの国では珍しいものではない。
ところが中国では、新しい環境法の施行を受け、「罰金を取るために使われるのではないか」と警戒する声が出ている。
8月15日に施行された「生態環境法典」は全1242条。工場などの環境汚染だけでなく、市民の身近な行動も対象になる。
たとえば、公園や広場で大音量の音楽を流して踊る中国名物の「広場ダンス」。騒音を注意されてもやめなければ、個人には最高1000元(約2万4000円)の罰金が科される。
禁止された場所や時間帯に屋外でBBQなどを行った場合は、道具や売上を没収されるほか、違反を続ければ最高2万元(約47万円)の罰金となる。
騒音や煙を取り締まること自体は、住民にとって悪い話ではない。それでも不安が出る背景には、中国の地方政府が深刻な財政難に陥っている事情がある。
不動産不況などで地方政府の収入が減るなか、中国では近年、企業や市民への罰金や徴収をめぐる問題がたびたび指摘されてきた。
そのため市民が心配しているのは、環境規制そのものではない。幅広い法律を口実に、金欠の地方政府が「取りやすいところから罰金を取る」ようになるのではないかという点である。
環境を守るための罰金が、いつの間にか政府の財政を埋めるための罰金にならないか。
中国では今、新しい法律の目的よりも、「実際にどう使われるのか」に警戒が集まっている。
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