中国で、苦境にある中小企業に新たな負担がのしかかっている。
税務当局が、従業員の実際の給料に見合った社会保険料を払っているか、取り締まりを強化しているためだ。
中国ではこれまで、人件費を抑えるため、実際の給料より低い「最低基準の給料」で社会保険料を計算し、負担を抑える方法が広く行われていた。違反ではあるが、利益の薄い企業にとっては「会社を続けるための抜け道」になっていた。
ところが当局は現在、給料や税金、社会保険のデータを照合し、こうした企業を簡単に見つけられるようになった。
問題は、中国経済が低迷し、ただでさえ中小企業に余裕がない時期に取り締まりが強化されたことである。
この問題について天津の縫製工場の責任者は本紙の取材に対し、正規の金額を払えば利益はほとんど残らないとして、「裁員するか、機械に置き換えるしかない」と窮状を訴えた。
こうした状況について、中国の独立系エコノミストは本紙の取材に、不況で余力のない企業にさらに負担を求めれば、裁員や倒産が増え、結局そのツケは働く人に回ると指摘する。
働く人を守るはずの社会保険が、仕事そのものを減らしかねない。企業を守れなければ、そこで働く人の暮らしも守れない。
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