メキシコのオマル・ハルフチ治安相は27日、同国西部ナヤリット州で、麻薬組織「ハリスコ新世代カルテル(CJNG)」の幹部アウディアス・フローレス容疑者を治安部隊が拘束したと発表した。フローレス容疑者は「庭師(エル・ハルディネロ)」の異名で知られ、同組織の中枢人物とされる。
メキシコは米国、カナダと共に今年夏のサッカー・ワールドカップを共催する予定で、治安維持への国際的関心が高まっている。
フローレス容疑者は麻薬組織の上級幹部で、メキシコ太平洋沿岸部の広範な地域を統括していたとされる。米当局は、同組織の元首領ネメシオ・オセゲラ(通称エル・メンチョ)の有力な後継候補とみていた。
エル・メンチョは今年2月、メキシコ軍と治安当局による掃討作戦で死亡したとされる。米ホワイトハウスは当時、米国が同作戦に情報支援を提供していたことを明らかにしていた。
フローレス容疑者は、メキシコおよび米国の双方で指名手配されており、米財務省は2021年に「重大な外国人麻薬密売人」に指定した。米政府は最大500万ドルの懸賞金をかけていた。
メキシコ海軍によると、作戦はプエルト・バジャルタ北方約20キロの住宅地で実施された。容疑者は多数の武装集団に護衛されていたが、特殊部隊が包囲し、銃撃戦なく逮捕したという。
作戦にはヘリコプターや特殊部隊員約120人のほか、海軍支援要員約400人が投入された。米国からの航空偵察情報も活用されたとされる。
治安当局者は、フローレス容疑者の今後の身柄処遇について、米国への引き渡しを含め調整が進む可能性があるとしている。
安全保障専門家は、フローレス容疑者は組織の物流・密輸ネットワークを統括していたと指摘し、「組織運営への影響は大きい」と分析する。米麻薬取締局(DEA)関係者も、今回の拘束は麻薬組織にとって重大な打撃になるとの見方を示した。
一方、米国のジョンソン駐メキシコ大使はSNSで、今回の拘束を「フェンタニル密売や暴力扇動への対策における重要な前進」と評価した。
トランプ米大統領はこれまで、メキシコの麻薬対策が不十分な場合、米国単独での軍事行動も排除しない姿勢を示している。
メキシコのシェインバウム大統領は米国による軍事介入には慎重な立場を維持しているが、近年、両国間の情報協力は強化されている。
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