IMF「成長見通し下方修正」 イラン戦争が世界経済を窮地に追い込むと警告

2026/04/15
更新: 2026/04/15

国際通貨基金(IMF)は火曜日、最新の成長見通しを引き下げ、イランとの戦争が激化した場合、世界経済が景気後退に陥る可能性があると警告した。エネルギー供給の混乱が、インフレ、金融市場、そして貿易に波及しているためである。

最新の「世界経済見通し(WEO)」および付随する分析の中で、IMFは、世界的な石油・ガス流通の重要なシェアを阻害している現在の中東紛争が、それまでのプラスの成長モメンタムを予期せぬ形で停止させ、政策立案者や投資家に極めて高い不確実性をもたらしたと指摘した。

IMFのアナリストは、エグゼクティブ・サマリーの中で「下振れリスクが支配的である」と記した。「地政学的緊張が現在以上に悪化し、現代最大級のエネルギー危機へと発展するか、あるいは国内の政治的緊張が噴出する可能性がある」

IMFは、戦争の継続期間とエネルギー市場への影響の度合いに応じて、「リファレンス(基準)」、「アドバース(下振れ)」、「セビア(深刻)」の3つのシナリオを提示した。最も深刻なケースでは、世界の成長率は約2%まで低下する可能性がある。これは歴史的に景気後退局面に関連付けられる水準であり、1980年代以降、過去に4回しか発生していない。

IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、最近のCBSのインタビューで「このショックは大きく、世界的だ。誰もがエネルギーを消費するため、誰もがその苦境を実感している」と述べ、世界の石油供給の最大13%、ガス供給の20%が寸断されていると指摘した。

米国の成長は持ちこたえる

米国は、今年の成長率予測が前回の予測をわずか0.1ポイント下回る2.3%にとどまっており、他の先進諸国よりもショックをうまく乗り切ると予想されている。

IMFによれば、米国の経済活動は減税、以前の利下げ、そして人工知能(AI)インフラへの力強い投資によって引き続き支えられている。これらの要因が、エネルギーコストの上昇や世界的な不確実性を一部相殺している形だ。

IMFは、米国の経済成長が予測以上に強い理由として、パンデミック以降の生産性の向上を挙げている。これが成長率を押し上げる追加のプラス要因になっているという。

「労働時間あたりの生産性の伸びは、他国の経済と比較しても、また自国の歴史と比較しても力強さを示している」。

経済成長を支えるのはテクノロジー分野の好調さだ。その恩恵により、2027年にかけて2.1%前後の安定した成長が続くと予測されている。

しかし、IMFは米国もイラン戦争関連のショックと無縁ではないと警告した。「インフレ率はまだ目標水準まで下がっていない。もし原油高が続いて『物価上昇はもう止まらない』という心理が人々の間に定着してしまえば、FRB(米連邦準備制度理事会)は再び利上げに踏み切らざるを得なくなる可能性がある」。

IMFのチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏はブログ記事で次のように述べている。「物価上昇のメカニズムは明白だ。燃料や原料の値上がりが企業のコストを直撃し、物流を停滞させ、世の中のモノの値段を一斉に吊り上げる。こうして家計の購買力が奪われていくことになる」。

2022年のロシアによるウクライナ侵攻以来、すでに高いエネルギーコストに苦しんでいるユーロ圏は、中東紛争からより大きな打撃を受けている。IMFはユーロ圏の成長率予測を0.2ポイント下方修正し、2026年は1.1%、2027年は1.2%とした。

インフレ圧力

グランシャ氏によれば、原油価格が2026年に平均約110ドル、2027年に125ドルに達する「深刻なシナリオ」の下では、複数の国が景気後退に陥るという。

同期間、欧州のガス価格は200%急騰し、食品価格は2026年に5%、翌年には10%上昇する見通しだ。

グランシャ氏の試算では、米国などの先進国では1年先の期待インフレ率が最大100ベーシスポイント(1%)上昇し、新興市場では130ベーシスポイント上昇することになる。

物価がその範囲で推移し続けると、「インフレが定着する」という期待が定着するリスクがあり、それがさらなる広範な価格上昇や強い賃上げ要求を招くと同氏は指摘した。

「期待インフレ率の変化により、中央銀行はブレーキを踏み、インフレを押し下げようとする必要がある」と同氏は述べ、その調整は2022年に見られた引き締めサイクルよりも苦痛を伴う可能性があると警告した。

世界全体では、深刻なシナリオの下での2026年のインフレ率は6%を超えると予測されている。これに対し、下振れシナリオでは5.4%、各国の予測の根幹となる基準シナリオでは4.4%となっている。

インフレの粘着性がすでに証明されている米国では、物価上昇は概ね目標を上回る状態が続くとIMFは見ている。基本予測では、消費者物価インフレ率は2026年に3.2%前後で推移し、2.1%まで緩和するのは2027年になる見通しだ。

ゲオルギエバ専務理事はCBSに対し、「米国はエネルギー輸出国であるため、影響が比較的少ない国のカテゴリーに入る」と語った。

「しかし、先に述べた通り、物価上昇の痛みは誰もが感じているのだ」

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。