米航空宇宙局(NASA)の有人月周回ミッション「アルテミス2号」は4月6日、最大の注目局面を迎えた。4人の宇宙飛行士が人類で初めて月の裏側へ接近し、約6時間にわたり地上との通信が途絶する見通しだ。人類が月裏側を近距離で観測する初の機会であり、同時に史上最も遠方まで到達する有人飛行となる。NASAは強い期待感を示している。
飛行士のジェレミー・ハンセンさんは「ハッピー・イースター。信仰の違いを超えて、イエスの教えは愛という普遍的なものだ」と述べた。クリスティーナ・コックさんも「機内に卵を隠した。実際はフリーズドライのスクランブルエッグだが、楽しい試みだ」と語り、和やかな一幕を明かした。
6日午前0時41分(現地時間)ごろ、宇宙船は月の重力圏に正式に進入した。所定の軌道を維持しながら、神秘的な月裏側のフライバイ(接近通過)に備えている。コック飛行士は「すでに月の重力の影響下にあり、地球から離れるのではなく、月へ向かって落下している状態だ。驚くべき重要な節目だ」と強調した。
同日午後2時34分ごろから始まる月接近では、宇宙船は月の影に入り、約6時間にわたり地上との通信が途絶する。この間、飛行士らは月裏側の観測や撮影を行い、月食に似た貴重な映像の取得が期待されている。午後7時5分ごろには地球から約40万7千キロの最遠点に到達し、56年前の「アポロ13号」の記録を約6598キロメートル上回る見込みだ。
NASAのジャレッド・アイザックマン長官は「今後24時間で宇宙船は月の遠側に到達し、人類の最遠飛行記録を更新する。得られる知見は、2027年の『アルテミス3』、2028年の『アルテミス4』など将来の月面探査計画にとって極めて重要だ」と述べた。
また同長官は5日、米CNNの取材に対し、「人類が宇宙で唯一の生命ではないことを示す証拠が見つかる可能性は相当に高い」と発言。「宇宙の謎を解き明かすことが我々の使命であり、『我々は孤独なのか』という問いはその核心だ」と語った。
このほか、飛行士らは宇宙食も紹介。エビのカクテルやフリーズドライのインゲンなどを披露した。コック飛行士は「これはエビのカクテルで、水で再水和すると食感が戻り、思った以上においしい」と話している。
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