オピニオン カリフォルニア、ニューヨーク、イリノイは特に脆弱

米国は中国共産党の影響力に対抗するため より厳格な連邦法が必要だ

2026/03/24
更新: 2026/03/24

カリフォルニア州、ニューヨーク州、イリノイ州は、米国で最大級の州経済を持ちながら、中国の悪意ある影響工作から自らを守る法律を制定していない3つの州である。

なぜこれらの州は他州のように法律を制定して対策を講じていないのか。また、それによってどのような国家安全保障上のリスクが生じているのか。

中国共産党(中共)が米国内の州・地方レベルにもたらす脅威は深刻であり、自ら防御しない地域を守るためには、より強力な連邦レベルの法律が必要である。

中共は、中国の輸出入を事実上支配する力を利用し、米国の州、郡、市といった地方政府に影響を与えようとしている。中共の情報機関や政府関係者は、州や郡、市の政府職員を標的とし、彼らが昇進していく過程で、すでに中国側との接触や、場合によっては中国の情報機関による影響を受けている状態を作り出そうとしている。

ヘリテージ財団の最近の研究では、中共の影響に対抗するための11種類の米国の法律が特定されている。これには、ゲノムデータ保護、投資撤退、教育、アプリ規制、臓器摘出、姉妹都市、贈与、越境弾圧、不動産、ロビー活動、調達などの分野が含まれる。米国の上位5州経済のうち3州(カリフォルニア、ニューヨーク、イリノイ)は、これらの法律を一つも制定しておらず、国家はまるでザルのように中共の影響工作にさらされている。

中国による地方レベルでの影響工作の中で、最も成功しているのはおそらくカリフォルニア州である。同州はGDP4.1兆ドルを誇る米国最大の州経済である。ギャビン・ニューサム州知事は2023年10月に北京を訪問し、習近平と会談し、5つの覚書に署名した。この訪問は2019年以来、米国の州知事として初めての訪中であり、中国にとって大きな広報上の成果となった。ニューサム州知事は将来の米国大統領候補と見られている。

ニューサム州知事は訪問中、気候変動や米中関係の改善を重視したが、中国との貿易や観光の拡大も推進した。この訪問は、中国が自国経済に対する支配力を利用してカリフォルニア州政府に影響を及ぼし、連邦政府を迂回して州レベルで合意を結ぶ機会を与えた可能性がある。

カリフォルニア州が中共の地方レベルの影響工作の最大の標的となっているのは、同州が圧倒的に大きな経済規模を持ち、人工知能、半導体、ロボティクスといった輸出規制対象の先端技術を広く有しているためである。

ニューヨーク州(GDP2.3兆ドル)では、中国共産党はウォール街との関係を通じて国家レベルでも大きな影響力を行使している。州レベルでは、キャシー・ホークル知事の元上級補佐官が、中共の利益を推進するためにリクルートされていたとされる。この人物はビザ詐欺、人身密輸、資金洗浄などの罪で起訴されており、台湾の知事室へのアクセスを妨害し、公式スピーチからウイグルに関する言及を削除したとされ、その見返りとして数百万ドル相当の利益を受け取った疑いがある。

また、中国の同郷団体も北京政府の指示のもとで、国家・州・市レベルの政府に影響を及ぼしているとされる。さらに、中共政府はニューヨークのチャイナタウンに秘密警察拠点を設置し、中国人に対する越境弾圧を行っていたとも指摘されている。

イリノイ州はGDP1.1兆ドルで全米5位の規模を持つ。1974年には全米で初めて上海に貿易事務所を設置し、現在では中国は同州にとって第3位の輸出市場となっている。その結果、一部の有力企業は中国市場に依存する構造となっている。

米中ビジネス評議会は、イリノイ州の17の選挙区すべてについて、中国向け輸出がどれだけの「米国の雇用」を支えているかを示す統計を提示している。同州では、中国向け輸出が5万3720人の雇用を支えているとされており、これに影響を与えると見なされる政治家は選挙で不利になる可能性がある。

そのため、元州知事、上院議員、現職下院議員、シカゴ市長など複数の政治家が、中国共産党政府と関係のある組織との交流を通じて、中国に有利な広報効果をもたらしてきたとされる。

また、中国国籍者は多くの州で広大な土地を購入しており、テキサス州では米軍基地近くの14万エーカーが取得された例もある。スパイ活動への懸念が指摘されている。

これを受けて、テキサス州など24州では外国人による土地所有を制限する法律が制定された。外国人による土地購入の禁止や中国製品の調達制限は、州レベルで最も一般的な対策となっている。

しかし、経済規模で米国トップクラスの3州(カリフォルニア、ニューヨーク、イリノイ)は、これら11分野のいずれにおいても対策となる法律を持っていない。

これらの州が中国との貿易拡大を優先し、中共の影響に迎合している結果、自州だけでなく米国全体が、世界で最も強力で危険な権威主義的影響にさらされていると指摘されている。

中共が連邦政府を迂回し、州や地方政府と直接関係を築く能力は、国家安全保障上の重大なリスクであり、連邦レベルでの立法によって対処されるべきである。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
時事評論家、出版社社長。イェール大学で政治学修士号(2001年)を取得し、ハーバード大学で行政学の博士号(2008年)を取得。現在はジャーナル「Journal of Political Risk」を出版するCorr Analytics Inc.で社長を務める傍ら、北米、ヨーロッパ、アジアで広範な調査活動も行う 。主な著書に『The Concentration of Power: Institutionalization, Hierarchy, and Hegemony』(2021年)や『Great Powers, Grand Strategies: the New Game in the South China Sea』(2018年)など。