中国共産党(中共)とその外交官たちは、まるで世界が知らないかのように振る舞っているが、実際には現在のイラン戦争における弾道ミサイルやドローンによる攻撃作戦を支援・可能にしているのが中共であることは広く認識されている。それには並外れた厚かましさ、あるいは無遠慮さが必要だ。
中共政府の翟駿中東問題特使は9日、サウジアラビアのリヤドにおいて湾岸協力会議(GCC)のジャーセム・アル・ブダイウィ事務総長と会談した。同日付の『アラブ・ニュース』によれば、アル・ブダイウィ氏は「GCC加盟国に対するイランの攻撃を中国が非難したことに謝意を表した」という。
中共当局者が戦争に関連して、米国やイスラエル以外の対象について非難を表明したのはこれが初めてであった。しかしその後、3月11日の中共外務省の記者会見で、郭嘉昆報道官は「中国は湾岸諸国への攻撃に同調せず、民間人および非軍事目標に対する無差別攻撃を非難する」と述べた。
長年にわたりイランのイスラム神権体制を支援してきた中共が、ここにきてイランの「無差別攻撃」を批判する姿勢を見せていることは責任問題におけるごくわずかな変化を示すものに過ぎない。米国は1980年代半ば以降、中共によるイランへのミサイル技術支援および販売を継続的に監視してきた。
1999年に出版されたエドワード・ティンパーレイク氏とウィリアム・C・トリプレット2世氏の著書『Red Dragon Rising』によれば、1986年9月17日の上院本会議において、フランク・マーカウスキー元上院議員(共和党・アラスカ州選出)は「中国がイランに対し、弾道ミサイルおよび関連技術の販売について重大な交渉を進めている」と警告していた。
これを契機として、中共とイランの間には長期にわたるミサイル協力関係が築かれた。その内容には、M-7短距離弾道ミサイルの販売、中国人技術者の派遣、イラン人技術者への大規模な訓練、さらにロケット製造材料、コンピュータ制御工作機械、ジャイロスコープなどの誘導関連装置、液体・固体ロケット燃料といった各種資材の供給が含まれていた。
さらに近年では、中国が固体ロケットモーターの原材料をイランに供給したとして、米国の制裁対象となっている。2025年4月29日の米財務省の発表によると、中共およびイランの6団体・6個人が、イラン革命防衛隊(IRGC)のために弾道ミサイル推進剤の調達ネットワークに関与したとして制裁を受けた。
また2026年3月7日「ワシントン・ポスト」は、イランのコンテナ船2隻が中国・珠海市の高欄港(主要な化学品輸出拠点)を出港し、「ロケット燃料の重要な前駆物質を積載している可能性が高い」と報じている。
イランが湾岸諸国に対する攻撃で用いた「ミサイル」の大半は、実際には安価な一方向型の徘徊攻撃ドローンである。これらは「貧者の巡航ミサイル」とも呼ばれ、中国製の電子部品やエンジンに大きく依存している。
2026年3月2日、ソーシャルメディア「X」で親中派の技術評論家とされる「tphuang」は、米国やイスラエルの防空システムに関する議論に対し、中共のドローン部品供給能力の大きさを強調し、次のように述べた。
「ドローン用低速エンジンを製造する中国の工場の一つは、すでに11月まで受注で埋まっている。この工場は1日3万基のエンジンを生産している……これは多くのサプライヤーのうちの一つに過ぎない。高性能ではないが、目的地まで一度飛行するには十分で、非常に安価で製造も容易だ」
2024年5月5日、英紙「デイリー・エクスプレス」は、イスラエルのネゲヴ砂漠で回収されたイラン製「アラシュ2(Arash-2)」徘徊型攻撃ドローンを英国防省の科学者が分析した結果、「中国製の誘導システム」が搭載されていたと報じた。
「アラシュ2(Arash-2)」は航続距離800〜1200マイルを持ち、「シャヘド136」などと並ぶ長距離攻撃ドローンの一種である。今回の紛争で使用された約2300機のイラン製ドローンの多くに、中共製の誘導装置やエンジン部品が用いられていた可能性が高い。
中共による長年のミサイル能力支援は、2026年2月28日に始まった米国の「壮絶な怒り」作戦およびイスラエルの「オペレーション・ライジング・ライオン」への対応として、イランによる今回のミサイル攻撃を可能にした。
イスラエルと米国の軍事作戦は、イランが核兵器計画の終了を拒否した5回にわたるイラン・米国間の交渉、イランがすでに核兵器計画を新たな地下シェルターに移転させたとの判断、そしてイラン側交渉担当者が10発の核兵器製造に近づいていることを認めたことを受けて実施された。
2月28日から3月13日にかけて、イランはドローン2700機、弾道ミサイル1196発、巡航ミサイル28発を発射し、計3924回のミサイル攻撃を行い、米軍に死者10人、負傷者140人。イスラエルに死者12人。アラブ首長国連邦(UAE)に死者6人、負傷者少なくとも130人。サウジアラビアに死者2人、負傷者12人。オマーンに死者2人、負傷者10人の被害をもたらした。
確かに、イランの弾道ミサイルやドローンは、バーレーンにある米海軍第5艦隊司令部、ヨルダンにある米国が運用する高高度防衛ミサイル(THAAD)の対ミサイルレーダー、クウェートにある米陸軍予備役兵4名が死亡した指揮センター、そしてサウジアラビアとUAEの米国大使館に対するドローン攻撃など、米軍の標的を攻撃した。
しかし、これらの攻撃は急速に地域全体に広がるテロ的作戦へと変化し、民間目標にも被害を与え、湾岸諸国と米国の軍事協力を分断しようとする意図が見られる。
さらに懸念されるのは、中共政権がイランのミサイルやドローンの誘導および標的設定を支援している可能性が高いことである。
2026年2月2日、アナリストのシヴァン・マヘンドララジャ氏はX上で次のように述べた:
「イランは中国の先進的な衛星ネットワークを活用しており、これにより全天候・昼夜を問わず継続的(24時間体制)の画像取得、高解像度映像、SIGINT(信号情報)、および米海軍の目標に対するリアルタイムのELINT(電子情報)を得ていると指摘した」
「ヤオガン(遥感)ELINT衛星群は電子放射の三角測量によって艦船の位置を正確に特定し、吉林衛星群は継続的な高品質映像を提供する。中国の宇宙ベースISR(情報・監視・偵察)とイランのミサイルが融合することで、ペルシャ湾、オマーン湾、アラビア海の海上交通を標的とするリアルタイムの攻撃連鎖が形成されている」
この主張は公開情報だけでは確認できないが、ヤオガン衛星や吉林衛星が精密攻撃に利用可能な中国の偵察衛星であることは事実である。また、精密誘導を可能にするため、イランの中国製誘導システムは、中国の衛星測位システム「北斗」の信号を利用できると考えられる。
さらにロイターは2月24日「6人の情報筋」を引用し、中共がイランに対し、中国航天科工集団のCM-302(射程約180マイルの超音速対艦ミサイル)の輸出を交渉していると報じた。このミサイルは、中共海軍で使用されているYJ-12B(射程約300マイル)を基にした輸出型である。
現時点では可能性は低いように見えるが、もしイラン政権が再建され存続すれば、中共がミサイルやその部品を空輸して戦争継続を支援する可能性もある。
したがって、中共の特使が訪問してきた際には、中共がイランの弾道ミサイル、巡航ミサイル、ドローン計画にどのような支援を行ってきたのか、詳細な説明を求めるべきである。また、中共がイランの再武装を意図しているのか、さらには中共の衛星が攻撃を誘導しているのかについても確認すべきだ。
むしろ、中共の否認や曖昧な説明を待つのではなく、人的被害や損害に対する賠償請求を突きつけるべきである。

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