2月9日、米連邦下院は賛成395、反対2の圧倒的多数で「台湾保護法案」を可決した。中国共産党(中共)に対する強力な抑止を打ち出す内容で、台湾海峡問題を巡りアメリカ内に意見の相違はないことを国際社会に示した形だ。
法案は、ルーカス下院議員が提出した。内容は、台湾住民の安全や社会・経済制度が中共の行動によって脅かされた場合、アメリカ政府が可能な最大限の範囲で、中共代表をG20、国際決済銀行、金融安定理事会などの国際金融枠組みから排除するよう求めている。
台湾国防安全研究院戦略・資源研究所の蘇紫雲所長は「最大の意義は台湾の安全への支持を明確にし、中共を抑止する手段を増やす点にある。既存の軍事的抑止や共同抑止に加え、すべての国際システムへの繋がりが断絶し得ることを中共に示すものだ。中国内部への直接的影響は限定的かもしれないが、象徴的意味合いは非常に大きい」と述べた。
ルーカス氏は「この法案は明確なメッセージを送るものだ。中共が台湾との衝突を企図するなら、その結果を受け入れる覚悟が必要だ」と強調した。
大紀元のコラムニスト王赫氏は「ロシア制裁の経験を総括し、それを中共に当てはめたものだ。台湾海峡で戦争を起こせば、アメリカは中共を制裁するに違いない。実際に、この法案は中共にその一歩を踏み出さないよう促す狙いがある」と指摘した。
ルーカス氏は、ロシアのウクライナ侵攻後、下院は同様の枠組みを可決し、国際秩序を破壊する行為には迅速かつ厳しい制裁を科すことを示してきたと説明した。
王氏は「中共はロシアとは異なる。中国は開放型経済で欧米との経済的結び付きが強い。中共が制裁を受ければ、その損失は一段と拡大する」と分析した。
ルーカス氏は、台湾が侵攻を受けた場合のアメリカの対応は強力でなければならず、複数の制裁や経済的措置を含むべきだと強調した。中共を国際機関から排除することも、その対応の一環とする必要があると述べた。
ヒル下院議員は「中共による台湾への侵略行為は弱まる兆しがない。アメリカは明確なメッセージを発する必要がある。中共の侵略は容認できないし、容認することもない」と語った。
蘇氏は「仮に中共が武力侵攻に踏み切り、国際社会が制裁を発動すれば、国連関連機関や非国連系の金融機関を含む国際的な資金の送金、さらにクレジットカードなども遮断される可能性がある。中国に大きな技術的困難をもたらすだろう」との見方を示した。
スタントン下院議員はXで、中共が近隣諸国を威嚇するなら、世界の枠組みから利益を得るべきではないと投稿。中共が台湾に直接的脅威を与えた場合、主要国際機関からの排除を可能にする同法案への支持を表明した。
蘇氏は「米欧間には経済摩擦があるが、中露に対する立場は比較的一致している」と述べた。
ビーティ下院議員は「これは合理的かつ現実的な法案だ。中共が台湾への侵略をエスカレートさせれば、アメリカは行動を取る準備があるという警告になる」と語った。
同法案は今後、連邦上院に送付され審議する。可決されれば、大統領の署名を経て成立する。
蘇氏は「上院も共和党が主導しており、下院の法案に反対する可能性は低い」との見通しを示した。
台湾の陳冠廷立法委員は、台湾は第一列島線の重要拠点に位置し、台湾海峡の安定は民主陣営および世界のサプライチェーンの利益に合致すると指摘。軍事協力や技術規制、金融面での牽制まで、近年アメリカが推進してきた一連の超党派立法は、台湾海峡の安全保障への関心が高まっていることを示すものだと述べた。
さらに陳氏は、抑止が軍事分野から金融・制度面へ拡大していることは、国際社会が台湾海峡の平和維持への取り組みを「支持表明」から「手段と措置の整備」へと進めていることを意味すると語った。
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