中共軍報 軍内大規模粛清の継続を示唆

2026/02/10
更新: 2026/02/10

2月9日付の中国共産党(中共)機関紙「解放軍報」は評論記事を掲載し、軍内に残る腐敗問題がいまだ完全には一掃されていないと指摘したうえで、政治的な整訓(整理と訓練)を通じて腐敗の温床を根本から取り除く必要があると強調した。複数の評論は、この記事が軍に対する政治的統制と整訓のさらなる強化・継続を示唆しているとの見方を示している。

署名入り評論「政治上強是最根本的強」は、「軍を強くするには、まず政治的に盤石でなければならない。政治面での強さこそが最も根本的な強さである」と主張したうえで「政治を軽視するいかなる人や行為とも断固として闘争し、党が人民軍隊を絶対的に指導する体制を確保し、銃は常に党の指揮に従うことを徹底しなければならない」と記した。

同記事は、中共の軍隊にとって政治を重んじることが常に第一の要求であり「政治の関門を必ず守らなければならない」とし、政治的に堅固でなければ自ら崩壊すると論じた。また「もし政治能力に欠陥があれば、他の能力がどれほど強くても頼りにならない」とも記した。

評論関係者は、「政治上強(党への忠誠を最も重視する)」の強調は事実上「忠誠第一」を意味し、軍事能力はその次であることを示していると指摘し、一部では「戦えるかどうかは二の次で、まず忠誠が求められるのではないか」との揶揄も出ている。

記事はさらに、中国共産党がいう長征の過程で、張国燾が「党と紅軍を分裂させる活動」を行ったとされる場面に触れ、朱徳が「北上決議には政治局会議で賛成の挙手をした。私はそれを覆すことはできない」と述べたと紹介した。

この記述は注目を集め、一部の評論は、中共軍内部で「分裂活動」や不忠誠の動きがあり、すでに通報されたことを暗示している可能性があると指摘した。

政治評論員の鄧聿文は、「これは張又俠が党内や軍内で分裂活動を行い、新時代の『朱徳』に抵抗され、最終的に告発されたことを暗示しているのか」との見方を示した。

同記事は、軍内に残る腐敗問題がなお完全には一掃されていないとしたうえで、政治的な整訓を通じて腐敗が生まれる背景や体質を根本から断つ必要があるとも強調した。

中共軍上層部の人事異動が相次ぐ中、張又俠および劉振立が調査対象となったと公表されたことを受け、多くの評論は、軍内の腐敗問題が外部の想定よりも深刻である可能性を示し、次の軍内反腐敗キャンペーンの布石であるとの見方を示している。これを習近平陣営が軍内勢力の粛清を継続するシグナルと受け止める向きもある。

鄧聿文は「当局の説明では、第18回党大会以前に生じた腐敗を過去からの累積分、第18回党大会以降に新たに発生した腐敗をその後の増加分と区分しているが、これは長年退役している軍の将官にも調査が及ぶ可能性を示唆しているのか」と指摘した。

同記事が「政治上強」を繰り返し強調している点については、習近平指導部が軍の思想統制を極めて重視していることを示すとの見方がある。建軍100周年に向けた重要段階や第15次五か年計画の開始時期を控える中、中国共産党がイデオロギー闘争と反腐敗圧力に直面していることを反映しているとの分析も出ている。