2月4日、「銀行行員が顧客の預金を使い込み、銀行は賠償を拒否した事件」が中国のSNSでトレンド入りした。
事件が起きたのは、中国・内モンゴル自治区のフルンボイル市である。銀行の窓口という、最も信頼されるはずの場所で発生した。
被害は11人に及び、総額は220万元余り(約5千万円)にのぼる。被害者たちの預金は、制服を着た行員が窓口で通常業務として受け付け、銀行の印が押された控えも渡していた。
ところが後日、残高を確認するとほぼゼロになっていた。預けたその日に、行員本人が外部口座へ送金していたケースも判明した。
この行員は勤務時間中、営業場所で客の信頼を得ながら、通常の預金手続きや金融商品を装って資金を移動させていた。だまし取った資金は私的な借金の返済などに充てられ、既に残っていなかったとされる。
行員はその後、詐欺罪で懲役12年の判決を受けた。しかし返済に充てられる財産はなく、被害者への返金は不可能であった。
被害者たちは銀行に対し、「勤務時間中に窓口で行われた行為なのだから、銀行が責任を負うべきだ」として、預金の元本と利息の支払いを求めて提訴した。
だが銀行側は、「これは行員の個人的な犯罪であり、銀行業務とは無関係」として弁償を拒否した。
2025年10月、被害者の一人が銀行を相手取って起こした裁判の一審で、裁判所は銀行側の主張を認めた。これに納得できない被害者側は判決を不服として控訴し、2026年1月5日に二審が開かれたが、判決はまだ出ていない。
一方で、同じ事件に関する別の被害者が二審で勝訴した例もあり、今後の判断が注目されている。それでも、多くの被害者は依然として救済のめどが立っていない。
SNS上では、「銀行の窓口で起きたのに責任なしなのか」「これで誰が安心して預金できるのか」といった声が相次いでいる。
この事件は、金額以上に重い。銀行に預けた金が静かに消えていくことがある。そして、銀行は責任を取らないこともある。
中国ではすでに「預金を引き出せない」と訴える声がSNSにあふれている。そこに「預金が消えても弁償されない」という現実が加わったのである。
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