世論調査によれば、高市早苗首相率いる与党連立は2月8日の総選挙で大勝に向かっている。国家安全保障の観点から見れば、これは日本にとっても米国にとっても好ましい結果となる。
高市首相は、過去30年間で就任時から国家安全保障と日本が自衛のために何をすべきかについて十分な知識を持っている数少ない首相の一人だろう。高市首相は中国共産党(中共)政権の悪質な性質と日本に対する脅威も理解している。
高市首相が圧勝すれば、中国との外交、とりわけ対中外交でより強い立場を得ることになるのか。
選挙での確固たる勝利は、当然ながら高市首相の外交・対外政策上の立場を強化する。しかし高市早苗首相はすでに、台湾が日本の国家安全保障にとって重要だと述べたことに対し北京が強く反発した後も、中共に対して毅然とした姿勢を示してきた。
高市首相は、日本側に非があったかのような宥和的な対応や譲歩を中共に示していない。これは従来の日本の政権が通常取ってきた対応とは異なる。
高市首相が大勝すれば、中共の威圧に直面しても後退する可能性はさらに低くなる。また、高市首相の「対中強硬」姿勢に対する野党の攻撃も勢いを失う。なぜなら、有権者の多数が高市首相の行動を支持していることになるからである。
中共政府は結果として高市首相の人気を高め、就任直後に強い指導力を示す機会を与えた。日本の国民は、日本の政治家層よりもはるかに「反中国」かつ防衛重視であり、明確に示された強い指導力に好意的に反応してきた。高市首相はそのような指導力を示している。
高市首相は中共政府に対してより対立的な姿勢を取るのか。
おそらくその必要はない。高市首相はすでに国防と経済安全保障を強化し、日米同盟を強固にすると同時に、他の自由主義諸国と連携して防衛体制を強めることで、日本の利益を守っている。
高市早苗首相の政策は慎重かつ常識的であり、対立的ではない。中共は、中国の侵略や圧力から自国を守ろうとする行動をすべて「対立的」とみなしている。
高市首相の対中強硬姿勢は、中国側を日本との対話や関係改善に向かわせる効果があるのか
最終的にはその可能性もあるが、中共当局が高市首相に強い姿勢を示していることから、中共政府が近い将来に譲歩する可能性は低い。むしろ、中共は高市首相を激しい言葉で非難し、架空の日本の「軍国主義」に対する地域の不安をあおり、さらに中共軍海軍、海警、海上民兵、漁船による日本の海域への継続的な侵入を通じて圧力をかけ続けるだろう。中共とロシアは共同で圧力を強める可能性もある。
中国共産党は日米同盟の分断も試みるだろうが、成功する可能性は低い。高市首相は、日本の戦略的利益が米国との緊密な関係に依存していることを理解している。安倍晋三元首相と同様に、米国なしでは日本は中共の侵略から自国と自国の利益を十分に守ることができないと認識している。
幸いにも、日米両国の地政学的利益は概ね一致しており、日本国民の大多数は日米安全保障条約を支持している。
高市首相の防衛政策はより「タカ派」的になるのか。
それはならない。高市首相は不合理なことは何も行っていない。日本の防衛力強化の取り組みはすべて戦略的防衛の枠内で、米国と連携して行われている。日本は人員や兵器、装備などの能力面でも、また意図の面でも、近隣諸国に対して攻撃的な行動を取る力や意思を持っていない。
高市首相を「タカ派」と呼ぶのであれば、それは日本の軍事力を改善するために常識的で長らく先送りされてきた措置を取っているという意味に限られる。しかしこの言葉はしばしば1930年代の日本を想起させる行動を指すために使われる。それは誤りであり不誠実である。高市首相は国家指導者として当然行うべき、自国防衛のための措置を取っているにすぎない。
選挙勝利直後、高市首相の当面の安全保障上の優先課題は何か。
高市首相は国防予算の確保と配分を行う必要があり、とりわけ自衛隊の長年の課題である新規隊員の確保問題に対処しなければならない。自衛隊が米軍と共同かつ効果的に運用できる体制を確保することも重要な課題である。
防衛生産の拡大と経済安全保障の強化、特に重要鉱物分野での対応や中国依存型サプライチェーンの削減も不可欠な課題である。
1993年に日本に来て以来19人の首相を見てきた筆者の見解では、高市早苗首相は日本にとって、そして米国や他の自由主義諸国にとっても、最良の首相の一人となり得る。
ワシントンが高市首相という存在の価値を認識することを期待する。主要な米国同盟国の中で、自国の防衛を真剣に受け止め、中国共産党に接近していない国は日本だけである。
米国には、そのような国と指導者がさらに必要である。

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