豪州に影響が及んだ世界的な乳児用粉ミルクの回収について、発生源が中国・武漢のバイオテクノロジー企業に特定された。
ロイター通信が2月2日にフランス農業省の情報として報じたところによると、汚染の原因となったアラキドン酸(ARA)オイルの製造元は、中国企業のCabio Biotechであることが判明した。
1月には、ネスレ、ラクタリス、ダノンの世界的な乳業大手3社が、自社製品にバチルス・セレウスが産生する毒素「セレウリド」が混入した可能性があるとして、世界規模の回収を実施した。
ネスレは約60か国で乳児用粉ミルクを回収しており、同社として過去最大規模の回収の一つとなった。
影響を受けた粉ミルクブランドには、SMA、BEBA、NAN、Alfaminoが含まれ、欧州、中南米、アフリカ、中東、アジア太平洋地域で各国の回収通知が発出された。
今回の問題の核心は、主要原料であるアラキドン酸(ARA)オイルにある。調査の結果、Cabio Biotechが供給したARAオイルに、強力な毒素セレウリドを産生するバチルス・セレウス(通称サボテン菌)が含まれている疑いが持たれている。
豪州では、豪州・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ:以後、豪州・NZ食品基準庁)が2月下旬、セレウリド混入の可能性があるとして、Alulaブランドの乳児用粉ミルク2ロットについて全国回収を調整すると発表した。
対象製品は、Sanulac Nutritionals Australia Pty Ltdが製造した「Alula Gold Reflux」と「Alula Colic and Constipation」である。
回収対象となったAlula製品は、Coles、Woolworths、Big W、IGA、Costco、薬局、Amazonなど、店舗およびオンラインで全国販売されていた。
セレウリドによる症状には、嘔吐、下痢、異常な倦怠感などがあり、通常は摂取後30分から6時間で発症し、24時間以内に回復することが多い。
Cabio Biotechとは
Cabio Biotechは武漢のバイオテクノロジー分野に属する中国の主要企業である。
ネスレやダノンといった国際企業だけでなく、中国の大手乳業企業である伊利、聖元、蒙牛にも原料を供給している。
同社公式サイトによると、Cabio Biotech(Wuhan)Co., Ltd.は2004年9月設立で、湖北省で初めて科創板に上場した企業である。現在、中国最大のARA製品供給企業であり、国際市場でも主要な競争企業の一つである。
カーギルなどの国際流通企業と提携し、製品は中国、米国、欧州、豪州、ニュージーランド、韓国、東南アジアを含む30以上の国と地域で販売されている。
2024年の売上高は5億5500万元(約1億1400万豪ドル)で、その70%以上をARA事業が占めている。
毒素混入の可能性を受けた粉ミルク回収後、Cabioの株価は急落し、1月8日には一時14.4%の下落を記録、終値でも約12%下落した。
豪当局の対応
豪州・NZ食品基準庁の1月22日の声明で、同庁のクリステル・リームハイス代理CEOは、豪州でセレウリドに関連する健康被害の報告はないと述べ「回収対象外の粉ミルクは小売店で入手可能であり、保護者は最適な選択について医療提供者や薬剤師に相談できる」と語った。
同庁の広報担当者は、豪州およびニュージーランドで販売されるすべての食品は、輸入品を含め、豪州・ニュージーランド食品基準コードに適合しなければならないと説明した。
同コードの基準2.9.1は、豪州で販売される乳児用粉ミルクの成分や表示要件を定めている。
広報担当者はエポックタイムズの取材に対し「豪州・NZ食品基準庁は基準を定めるが、執行機関ではない」と回答した。
広報担当者はさらに、豪州では州および準州の食品規制当局と、国境における輸入食品検査制度(IFIS)の下で農業・水産・林業省(DAFF)が責任を担っていると説明した。
広報担当者は、豪州・NZ食品基準庁が農業・水産・林業省に対し輸入食品の科学的リスク助言を提供し、検査優先順位の決定を支援しており、乳児用粉ミルクについても輸入食品リスク声明を公表していると述べた。
2008年に約3千万人の中国の子どもが影響を受けた三鹿メラミン粉ミルク事件以降、中国では乳児用粉ミルクは特に敏感な問題となっている。
エポックタイムズはCabio Biotechおよび在キャンベラ中国大使館にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
本報告にはChen Tingが寄稿した。
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