中国・陝西省西安市の西北大学で、授業中に「マルクス主義を信じない」「共産党の指導を支持しない」と発言した学生が、大学から学籍を剝奪された。
西北大学は、中国では中堅クラスの国立大学で、地方では名門とされる。特別に過激な学校でも、無名校でもない。ごく普通の大学で起きた出来事だ。
問題となった学生は物理学部に在籍し、政治関連の授業で政府の公式見解に異を唱えていた。その発言を複数の同級生が大学側に通報し、大学は「国家の基本原則に反し、授業秩序を乱した」として最も重い処分を決定した。
この処分は昨年末に下されたもので、大学側は公表していなかったが、学内文書が外部に出回ったことで明らかになった。
法律上、特定の思想を信じないと述べること自体は違法ではない。しかし近年の中国では、大学が政治教育の拠点と位置づけられ、公式の立場と異なる発言は処分の対象になりやすい。
注目すべきは、学生の発言が教室内の議論で終わらず、密告を経て学籍剝奪にまで至った点だ。授業中という本来は自由に意見を交わせるはずの場が、思想の線引きを測る場所へと変わりつつある。
普通の大学、普通の学生、授業中の一言。それだけで将来が断たれた。日本で暮らす私たちには、にわかには信じがたい出来事である。
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