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自民党メガソーラー支援廃止提言 政府は年内に施策取りまとめ加速

2025/12/17
更新: 2025/12/17

経済産業省(経産省)はこれまで再生可能エネルギー(再エネ)の導入を強力に推進してきたが、その大前提として「地域との共生」がある。政府は、不適切なメガソーラー事業に対して厳格に対応する方針を共有している。こうした背景のもと、エネルギー資源に乏しい日本において、エネルギー安全保障の確保と電気代抑制を戦略的に進める必要性が高まっている。

自民党「メガソーラー規制」提言

2025年12月15日、自民党は経済産業部会、環境部会など五つの部会による合同会議を開催し、「メガソーラーの地域共生・規律強化に関する政府への提言案」を議論し、取りまとめた。この提言には、FIT(固定価格買取制度)およびFIP(フィード・イン・プレミアム)制度におけるメガソーラー支援について、「廃止を含めた検討」を行うべきという文言が盛り込まれた。

提言のポイントは以下の三点である。

  1. 不適切な事案に対する規制の強化:環境アセスメント(環境アセス)のルールを見直し、これまでよりも小規模な事業も対象に含めて規制を強化する。
  2. 国と自治体との連携強化:国が不適切な事案への対応方法や判断基準を明確化し、そのノウハウを市町村まで共有することで、執行力を高めることを求めている。
  3. 地域共生型への支援の重点化:これまでFIT/FIP制度で支援されてきたメガソーラーを今後支援対象外とし、代わりに屋根置きのように環境と調和しながらエネルギー自給体制を築く方向へ支援を重点化する。

 政府の対応方針と今後

赤澤経済産業大臣は、16日の定例会見で、自民党からの提言をしっかりと受け止め、関係省庁と連携しつつ、年内には施策の取りまとめを目指す考えを示した。再生可能エネルギー導入拡大の方針自体に変更はないが、地域共生との両立を図りながら進めるとしている。

FIT/FIP制度の見直し加速

特に焦点となっているFIT、FIP制度における太陽光発電の支援のあり方については、技術の進展状況、支援の必要性、価格なども含め、関係審議会(再エネ特措法に基づく調達価格等算定委員会)において議論を加速していく。

提言にあるような支援の見直しや廃止に向けた検討を行う際、特に慎重な検討を要する点として、既に事業に着手している事業者の予見可能性への配慮が挙げられる。太陽光発電事業は着手からFIT/FIP制度の認定までに基本的に1年程度を要するためだ。

導入の方向性と2040年目標

今後の太陽光発電導入に当たっては、地域共生がしやすい屋根設置の太陽光発電のポテンシャルを積極的に活用することが重要視される。また、ペロブスカイトなどの次世代太陽光発電の開発・導入支援にも力を入れていく。

これらの対策を通じて、政府は2040年度までに電源構成に占める太陽光発電の割合を23%から29%程度(現在の約2倍以上)とする見通しに向けて、引き続き取り組むとしている。

規制と支援のバランス

政府は現在、関係省庁と連携し、関係する規制の総点検を行い、法的に規制する施策の検討を進めている。国と自治体の連携強化、そして太陽光発電事業への支援のあり方を含めた検討を加速し、年内には施策を取りまとめる方針である。今後は、不適切なメガソーラーに対する厳格な対応という「規律」と、再エネ拡大という「支援」という二つの要素を、いかに地域共生という観点から両立させるか、そのバランスが政策の鍵となるだろう。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。