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フィギュア女王アリサ・リュウ 栄光の裏で中共スパイの魔の手は断ち

2025/12/10
更新: 2025/12/10

世界フィギュアスケート・グランプリファイナルは12月6日、名古屋で幕を閉じた。女子シングルでは、米国の中国系選手アリサ・リュウさんが、流れるような美しいフリースケーティングを披露し、会場を圧倒した。最終得点は222.49点で、見事に金メダルを獲得した。この20歳の天才スケーターは、一躍大きな注目を集めた。

多くの人々を驚かせたのは、アリサ・リュウさんの父親・劉俊氏が、1989年の天安門事件後に中国から米国へ亡命した元民主化運動のリーダーの一人だったことである。これは娘のスポーツキャリアにも思わぬ影響が及ぶことになった。

12月6日のグランプリファイナルで、ドナ・サマーの曲「マッカーサー・パーク」に合わせて演じたアリサ・リュウさんのフリースケーティングは、彼女の持つ最高の実力を発揮した演技となった。7回の3回転ジャンプをすべて成功させ、全体の構成も流麗そのものだった。総合得点は222.49点を記録し、堂々の優勝を果たした。

これは、彼女が競技の舞台を離れてから2年ぶりに、再び優れた演技を見せ、米国女子フィギュア界の中心選手としての地位を改めて固めたことを意味している。

アリサ・リュウさんの父親で弁護士の劉俊氏は、「うれしいよ。本当にうれしい」と、娘の成果を心から喜んでいる。

今回の優勝をきっかけ、アリサ・リュウさんの波乱に満ちた競技人生は、再び世間の注目を浴びることになった。

アリサ・リュウさんは5歳からスケートを始め、練習の過程で父親の劉俊氏は最大限の支援と愛情を注いできた。「全身の筋肉がしっかりしていてこそ、あれだけのジャンプをこなせるのだ」と述べた。

アリサ・リュウさんはフィギュアスケートで驚くべき才能を発揮し、13歳で米国のシニア選手権を制覇した。大会史上最年少の優勝者となり、2020年にはタイトルを見事に防衛した。

しかし、2022年の北京冬季オリンピック出場からわずか2か月後、彼女は突然の引退を発表した。その背景には、世間を驚かせる出来事があった。

劉俊氏は「FBIから、『中国共産党(中共)のスパイが、私と娘の個人情報、パスポート、パスポート番号、コピーなどを収集している』と告げられたのである」と明かした。

劉俊氏は1989年の「六四天安門事件」で学生運動のリーダーの一人だった。事件後、逃亡の末に米国へ移り住んだが、中共当局の監視や圧力はその後も続いた。

2022年の北京冬季五輪を前に、アリサ・リュウさんが出場準備を進めていたころ、劉俊氏は国外で中共のスパイから脅迫を受け、「娘の個人情報を提供せよ」と迫られたうえに、政治的発言や人権侵害を批判する発言を一切行わないよう命じられたという。

「自分が何を話すかは自分で決める。言いたいことは言う。自分は正々堂々と生きているし、やましいことは何もない。だから、中共のスパイに何をされようと恐れることはないのである」

2022年、アリサ・リュウさんはオリンピックと世界選手権を終えたあと、同年4月に引退を表明した。突然の決断に世間は驚き、強いプレッシャーや心理的影響が要因ではないかとみられた。

昨年、アリサ・リュウさんはフィギュアスケートの舞台に復帰し、今年3月の世界選手権で金メダルを獲得した。米国女子選手が世界選手権を制したのは、2006年以来初めての快挙である。