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中共海軍が沖縄周辺で活発化 空母「遼寧」太平洋進出 計7隻の動向確認

2025/12/07
更新: 2025/12/07

2025年12月5日、中国共産党(中共)海軍の艦艇群が沖縄周辺海域で相次いで航行する動きが確認された。統合幕僚監部は12月6日、これら二つの事案について発表した。

一つの事案では、空母「遼寧」を中核とする艦隊が太平洋へ向けて航行し、艦載機の発着艦訓練を実施。別の事案では、レンハイ級ミサイル駆逐艦を含む3隻の艦艇が東シナ海へ向けて北西進した。防衛省・自衛隊は、海上および航空自衛隊の部隊を投入し、警戒監視・情報収集および対応を行った。

行動概要(出典:統合幕僚監部)

空母「遼寧」艦隊、太平洋で訓練を実施

統合幕僚監部の発表によると、12月5日(金)午後2時頃、海上自衛隊は、沖縄県の久場島の北約420kmの海域において、中国海軍クズネツォフ級空母「遼寧」(艦番号「16」)が航行していることを確認した。

翌6日(土)午前7時頃には、「遼寧」に加え、レンハイ級ミサイル駆逐艦(艦番号「101」)及びルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦2隻(艦番号「117」及び「124」)の計4隻が、沖縄本島と宮古島との間の海域を南東進し、太平洋へ向けて航行した。

その後、これら4隻の艦艇は沖大東島(沖縄県)の西約270kmの海域を航行し、空母「遼寧」から艦載戦闘機及び艦載ヘリが発着艦したことが確認されている。

これに対し、防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第6護衛隊所属「てるづき」や、P-1、P-3Cなどの航空機により警戒監視・情報収集を実施した。また、空母からの艦載戦闘機の発着艦に対しては、航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させる等の対応を行った。

別艦艇群3隻が東シナ海へ

同日の午後3時頃、海上自衛隊は、宮古島の東約120kmの海域において、別の中国海軍艦艇群であるレンハイ級ミサイル駆逐艦(艦番号「103」)、ジャンカイⅡ級フリゲート(艦番号「547」)及びフチ級補給艦(艦番号「902」)の計3隻を確認した。

これら3隻は、その後、沖縄本島と宮古島との間の海域を北西進し、東シナ海へ向けて航行した。これらの艦艇は、11月11日(火)に大隅海峡を東進したものと同一であることが確認されている。

海上自衛隊は、第1海上補給隊所属「はまな」及びP-3Cなどの航空機により、この艦艇群に対する警戒監視・情報収集を行った。

本件事案の背景と今後の予測

今回の一連の事案は、中共海軍が空母を含む大規模な艦隊を編成し、沖縄本島と宮古島の間といった重要な国際海峡を通過させ、太平洋上での長期的な運用能力と訓練レベルの向上を継続的に図っているという背景を示す。特に空母「遼寧」が外洋で艦載機の発着艦訓練を実施したことは、中国が海軍力の遠方展開能力を着実に強化している証左である。

また、別の艦艇群が11月に大隅海峡を通過し、今回沖縄本島・宮古島間を通過して東シナ海に戻った動向は、中国海軍が広範囲にわたる長距離航行訓練を常態化させており、南西諸島周辺の海域の利用を積極化させていることを示唆する。

今後の予測として、中共海軍は、引き続き空母艦隊やその他の艦艇群を用いて、沖縄周辺海域や太平洋への進出を反復し、実戦的な外洋訓練を継続するものと考えられる。これに対し、防衛省・自衛隊は、引き続き高度な警戒監視態勢を維持し、領土・領海の安全を確保するため、艦艇及び航空機による情報収集活動と、不測の事態に対応するための緊急発進等の活動を継続すると予測される。

中共軍機が空自機にレーダー照射

防衛省は6日、沖縄本島南東の公海上空で、中共軍の戦闘機が航空自衛隊の戦闘機に対し、同日中に2度にわたりレーダー照射を行ったことを明らかにした。

発表によると、まず午後4時半ごろに、中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ15戦闘機が、警戒・監視にあたっていた空自のF15戦闘機に対し、断続的なレーダー照射を実施した。さらに午後6時半過ぎにも、同じ空域を飛行していた別の空自F15戦闘機が再び中国軍機からレーダー照射を受けた。

いずれのケースでも自衛隊機や搭乗員への被害は確認されていないが、これを受け、小泉進次郎防衛相は、この行為を「航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為だ」と強く非難し、外交ルートなどを通じて中国側に対し厳重に抗議し、再発防止を強く申し入れた。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。