中国各地の夜空で、ドローンが白い霧をまきながら飛行する異常な光景が相次いでいる。住民の多くが「焦げた臭いが充満していた」と証言し、全国的な不安が広がっている。
この現象は11月末から続き、SNSには「深夜、突然ドローンが低空で何かを散布していた」「そしたらどこからともなくゴムが焼けたような臭いが漂った」との投稿が急増した。
だが当局からは一切説明がなく、短時間で動画が削除される例も相次いだことから、住民の不信は一層強まっている。
(深夜に謎の霧を散布しながら飛行するドローンを住民が撮影した映像)
北京市、重慶市、上海、遼寧省、河北省、河南、湖北、湖南、安徽、浙江、江蘇、広東、貴州省、広西チワン族自治州、内モンゴル自治州など十数の省市で、同じような「深夜の散布」「焦げた臭い」が相次いで報告された。SNSに投稿された映像には、ドローンが真夜中の市街地や郊外で白い霧をまき、上空から地表近くまで不規則に飛ぶ姿が映っており、異様さが強い注目を集めた。
一部の住民は「動画を見たのに数時間後には削除されていた」と訴え、大きな議論となった。投稿の削除が続いたことで、「当局が見せたくない作業をしているのでは」と疑う声まで広がった。
遼寧省盤錦(ばんきん)市では、濃い霧の中で焦げた臭いを感じたという投稿に8千件以上のコメントが寄せられ、別の住民が「強烈な煤煙の臭いがした」と投稿した動画には1.1万件を超える反応が集まった。いずれも「どこからの臭いか探したが分からない」という証言であり、同様の報告は各地で繰り返されている。
こうした状況にもかかわらず、行政機関は何も説明していない。通常であれば「消毒作業」などの通知が出るはずだが、今回は全国的に沈黙が続いているため、住民の間では「見えないところで何かをしているのでは」という不安が一段と高まっている。


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