片山さつき財務大臣は、閣議後の記者会見で、租税特別措置(租特)及び補助金の見直しに向けた会議を開催したと報告した。この取り組みは、「責任ある積極財政」を運営し、国家・通貨・市場の信認を維持するための重要な施策と位置づけている。また、特殊詐欺やボイスフィッシングといった金融犯罪対策についても強化方針を示した。
片山大臣は、官邸で第1回となる租税特別措置・補助金見直しの関係閣僚等・副大臣会議を開催した。会議には木原稔 官房長官、林芳正 総務大臣、松本尚 行革担当大臣、維新の遠藤敬 内閣総理大臣補佐官をはじめ、全省庁の副大臣などが参加した。
大臣は、直ちに見直し可能な項目については速やかに反映する方針を示しており、その一方で、本格的な点検・見直しは次の令和年度の予算編成・税制改正を念頭に進めるとし、必要な分野には大胆に投入する「メリハリ」を示すことが、市場や通貨の信認を得るうえで不可欠だと強調した。
その他、片山大臣は、特殊詐欺の被害額が過去最悪となり、SNS型投資ロマンス詐欺の被害が増加している深刻な状況を踏まえ、金融犯罪対策の広報活動を強化する方針を示した。
不正に売買された預貯金口座が詐欺の送金先として悪用されている現状を受け、全銀協が中心となり官民一体で新たな広報活動を実施する。口座売買は違法行為であり、金融機関は売買を行った者に対して新たな口座開設を拒絶する方針を徹底する。若年層にも届くよう、ショート動画形式でSNSを通じた注意喚起を行うとした。
また、11月中旬以降、特定の地域銀行を名乗る電話や自動音声が企業に連絡し、偽サイトに誘導してインターネットバンキング情報を盗み取るボイスフィッシングの急増が報告されている事に触れ、既に複数の企業で被害を確認していると強調した。
片山大臣は、銀行が電話やメールでID・パスワードを求めることはないと強調し、被害防止のため次の3点を呼びかけた。
・不審な連絡には応じないこと。
・銀行から連絡を受けた場合は、一度電話を切り、代表番号で確認すること。
・万が一情報を伝えてしまった場合は、速やかに銀行と警察へ通報すること。
なお、具体的な被害件数や金額は現時点で非公表とされている。
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