【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

トランプ氏 ベネズエラ地上作戦指示 麻薬組織壊滅狙う

2025/11/28
更新: 2025/11/28

アメリカのトランプ大統領は11月27日夜、米国が「まもなく」地上作戦を開始し、ベネズエラの麻薬密売組織を壊滅させると述べた。この発言により、カリブ海を中心に展開されている米軍の麻薬取締り作戦が、ベネズエラに対する軍事行動へ発展する可能性があるとして、注目が集まっている。​

トランプ大統領は全世界の米軍部隊に向けた感謝祭の演説で、空軍第7爆撃航空団が「ベネズエラの麻薬密売人を抑止するために尽力している」として感謝の意を表した。さらに「現在、海上輸送による密輸の約85%はすでに阻止されている……次は地上で彼らを止める番だ」と述べた。​

トランプ大統領は続けて、「皆さんも気づいているだろうが、麻薬密売組織は今や海上輸送で(薬物を)運ぼうとしなくなっている。我々はこれから陸上で彼らの活動を止めるつもりだ。陸上の方が作戦を進めやすいが、それもすぐに始まることになる」と語った。​

米国によるベネズエラの指導者マドゥロ(Nicolás Maduro)への軍事的圧力は、数十年来で例を見ないほど高まっている。地上作戦の開始が発表される前から、米軍は9月以降、カリブ海および太平洋地域で麻薬輸送に関与しているとされる船舶を対象に、約21回の軍事攻撃を実施し、約83人が死亡したとされる。​

米軍、カリブ海で戦力を集結

ここ数週間、米国は同地域での軍事的存在感を着実に強化しており、空母「フォード」(USS Gerald R. Ford)もカリブ海に到着し、大規模な戦力集結が形成されつつある。現時点では米軍の行動は麻薬対策に焦点を当てているものの、配備されている火力は単なる麻薬取締りをはるかに上回る規模となっている。​

米軍高官らは最近、カリブ諸国の首脳らとも相次いで会談を行っている。また、アメリカ政府は先週、ベネズエラの「太陽のカルテル」(Cartel de los Soles)を外国テロ組織(FTO)に指定した。アメリカ政府は、この組織がマドゥロ大統領の支配下にあると説明している。​

ホワイトハウスのレビット報道官は11月24日、政府の継続的な麻薬組織掃討活動について問われ、「これらの攻撃作戦は今後も続く見通しだ」と述べた。外交交渉の余地を残す姿勢も併せて示されている。​

ただし、軍事的圧力を強める一方で、トランプ大統領はマドゥロ氏と会談する可能性にも言及し、緊張緩和への外交的な道筋が残されていることを示唆した。「彼と話すかもしれない」とトランプ大統領は今週、大統領専用機エアフォースワン内で語り、「様子を見よう。我々はこの件についてさまざまなスタッフと協議している」と述べた。​

麻薬取引への関与を非難されているマドゥロ氏はこれを全面的に否定し、米国が自らに対する「作り上げられた戦争」を仕掛けていると非難している。27日の発言の中で、トランプ氏はほかの軍種の隊員たちとも会話を交わし、「どんな質問でも答えるつもりだ」と述べた。​

この際、プエルトリコ・サンティアゴキャンプ(Camp Santiago)から発言した海兵隊員の一人は、自分たちの部隊が大統領の対「麻薬テロリスト」(narco terrorists)作戦を支援する準備が整っていると述べた。

陳霆