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政府 外国人入籍要件の厳格化を検討 居住年限引き上げが焦点に

2025/11/26
更新: 2025/11/26

11月25日、政府は外国人の入籍規定を見直し、国籍取得のための居住年限引き上げを検討している。現行制度では、帰化申請者は日本に5年以上居住していることが条件とされているが、これは外国人が国籍を取得せずに長期滞在できる「永久居留権」の最低要件である10年よりも低い水準である。

日本維新の会は、9月の政策提言において、この「逆転現象」を問題視し、入籍の居住年限を永久居留権と同等、もしくはそれ以上に引き上げるよう主張した。高市早苗首相は就任後、この提案について検討する姿勢を明確にしており、違法入国問題や外国人による土地取得の課題に向き合う考えを示したうえで「排外感情と政策の線引きを行う」と述べ、規制強化と受け入れ拡大の双方を両立させる方針を示している。

政府は今後、外国人入籍に関する具体的措置を取りまとめ、2026年1月に策定予定の「外国人政策基本方針」に新たな規定を盛り込む見通しである。また、自民党と維新の会が10月に締結した政権合意では、2026年度内に「人口戦略」を策定し、外国人受け入れの数量目標や基本方針を明確にすることを定めている。

一方で、入籍基準が必ずしも永久居留より緩いわけではないとの指摘もある。出入国在留管理庁は、帰化には居住年限に加えて、法律で定められた複数の条件を課していると説明している。これらには、素行が善良であること、生計を維持できる能力があること、憲法を遵守する姿勢を有していること、日常生活に支障のない日本語能力を備えていることなどが含まれる。

また、入籍申請で提出が求められる個人陳述書は、日本語で手書きする必要がある。一方、永久居留申請の個人陳述書は、パソコンで作成したものや他言語による記述も認められており、日本語訳を添付すればよい。

維新の会は9月の提案で、現行制度のもう一つの問題として、申請書類に重大な偽装があった場合や反社会的行為が判明した場合でも、国籍を取り消せない点を挙げ、司法手続きを経て国籍を剥奪できる制度の導入を求めている。

法務省によれば、2024年の入籍申請は計1万2248件で、このうち8863件を承認している。なお、偽装や不正行為に関する統計は存在していない。

人口減少が進む一方、外国人住民は増加傾向にあり、経済成長や社会システム維持における外国人の重要性は高まっている。「外国人政策」は、7月の参議院選挙でも有権者の関心を集めた重要課題であり、議論は石破茂前首相の時期から続いている。すでに合意されている内容として、医療費や社会保険料を滞納した外国人は在留資格を更新できないという従来の方針を、今後も維持する見通しである。

林燕