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中共の世界的代理ネットワークが大規模に発覚  スパイ摘発と海外投資が示す組織的浸透

2025/11/24
更新: 2025/11/24

最近、中国共産党(中共)が各国で取り込んだスパイや代理人の存在が次々に明らかになっている。FBIは、元ニューヨーク州知事室の副首席補佐官である孫雯(スン・ウェン)が中共に買収されていた多数の証拠を発見した。また、カリフォルニア州では、中共のために軍事技術を盗んだ中国系アメリカ人が有罪を認めている。

一方、台湾政府も、退役軍人6人が中共に取り込まれていたことを確認した。さらに、中共のスパイがハンティング会社を装って各国政府職員をリクルートしていたことも判明している。これら一連の事件は偶然ではなく、中共が長年にわたり計画的に進めてきた組織的な工作であり、各国政府は警戒を強めている。

アメリカの研究機関で、ウィリアム・アンド・メアリー大学付属のAidDataは報告書の中で、2000年以降における中共の海外投資プロジェクトの総規模が2.1兆ドル(約315兆円)に達しており、先進国と発展途上国への投資額がほぼ半々であると指摘した。

BBCはかつて、中共がイギリス企業に約585億7千万ドル(約8兆786億円)を投資していると報じたが、その真の目的については批判の声も上がっている。

イギリスの半導体設計会社イマジネーション・テクノロジーズの元CEO、ロン・ブラック氏は最近「2019年に中国側から軍事技術の移転を求められ、これを拒否して辞任したが、中共側は最終的にその中核技術を手に入れた」と明らかにした。

それ以前、中国の4大国有銀行が共同で複星集団に12億ドル(約1800億円)を融資し、同社が小規模保険会社ライトUSA(Wright USA)を買収できるよう支援していたことも分かっている。この会社は、FBI捜査官やCIA職員向けに保険を専門提供する企業だ。

この事件を受け、当時のトランプ大統領は1期目の就任直後に外資審査を強化し、2期目には「アメリカ優先投資政策(America First Investment Policy)」に署名した。そして、外国投資委員会(CFIUS)に対し、中国によるアメリカの戦略分野への投資制限をさらに拡大するよう命じた。

しかし、中共は企業投資にとどまらず、中国系個人を通じてアメリカの土地も大量に購入してきた。

2024年には、中共系の暗号通貨マイニング会社がワイオミング州の核ミサイル基地周辺の土地を買収した。

また、中国系の夫婦がステルス爆撃機B-2の基地近くにある廃公園を購入していたことも明らかになった。この空軍基地は非常に辺境な場所にあり、商業的な価値はほとんどない土地だ。

米メディア「デイリー・コーラー(The Daily Caller)」の調査記者フィリップ・レンチツキー氏によると「妻はかつてバンクーバーの投資会社の取締役を務めており、中共との関係が深い。その会社は国有企業との協力関係を持ち、経営陣には中共党員や政府関係者が名を連ねている」とのことだ。

アーカンソー州やミズーリ州が中国企業による土地購入を禁止する法令を出したのに続き、連邦議会内でも立法を求める声が高まっている。2025年7月、トランプ政権は「中国人およびその他の敵対的政権の国民によるアメリカの農地購入を制限する」と発表した。

土地の買収が難しくなると、中共は「中国製品」を通じて機密情報を入手しようとしている。

ノルウェーの公共交通会社ルーター社は先週、中国の宇通集団が製造した大型バスのテスト結果を公表した。その結果、バスが遠隔プログラムによって制御可能であり、ソフトウェアのリモート更新も行われていたことが判明した。現在、デンマークとイギリスでも調査が進められている。

バスだけではない。台湾では中国製のロボット掃除機が家庭内で勝手に中国のニュースを再生したり、アメリカの弁護士の家庭では不適切な音声を発したりするなど、中国製品を監視ツールとして利用している可能性も指摘している。

一方で、中共が華僑や華人を通じて秘密裏に浸透活動を行うケースも非常に多く見られる。

元ニューヨーク州政府の幹部である孫雯は、自身の地位を利用して台湾の外交活動を妨害し、文書を改ざんすることで親族が生産するマスクをニューヨーク州の「独占供給元」として契約していたことが分かっている。彼女はその過程を逐一中共側に報告し、さらに「建国70周年」祝典にも招かれて出席していた。現在、裁判が進行中で、審理は12月中旬まで続く見通しだ。

台湾では近年、国家機密を売り渡した裏切り者を次々に摘発しており、2025年1~9月までに起訴された中共スパイ事件は24件に上っている。

台湾の国防部長 顧立雄氏は次のように述べた。
「中共は片時も油断ならない形で浸透工作を仕掛けており、我々が直面している敵情の脅威がいかに深刻かを示している」

先週、台湾では現役および退役の軍人6人を中共のために機密情報を収集していたとして再び摘発した。さらに、起訴された人物の中には、長沙市人民代表大会・民族華僑外事委員会の委員である丁小琥が含まれている。丁は「宗教文化交流」を名目に台湾へ渡航し、軍人を勧誘してスパイ組織を構築していたとされる。

11月18日、イギリスの情報機関MI5は「中共スパイが公務員や議員などに積極的に接触し、国家機密を探り出している」と警告した。すでに1万人のイギリス人が接触対象になっているとみられる。英国内務安全保障担当相のダン・ジャーヴィス氏は、即座に新たなスパイ対策を発表し「中共による組織的なイギリス政治への干渉を一切許さない」と強調した。

アメリカ安全・保障センター(American Safety Security)の客員研究員テイラー・ホーソーン氏は次のように語っている。

「アメリカは本当に目を覚ます必要がある。中共は我々の敵であるという現実を直視しなければならない。もしアメリカがそれを明確に位置づけず、これまでのように宥和姿勢を続けるなら、この戦いで最終的に敗北することになるだろう」