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ウクライナ 仏「ラファール」戦闘機100機購入合意 防衛強化で歴史的協定

2025/11/18
更新: 2025/11/18

ウクライナは11月17日、購入意向書に署名し、今後10年間でフランスから最大100機のダッソー製「ラファール(Rafale)F4」戦闘機を導入する方針を示した。これにより、防衛力を強化し、ロシアの侵攻に対抗する狙いである。

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、フランスのマクロン大統領との会談中にこの文書に署名し、これを「歴史的な協定」と表現した。この文書はウクライナ側の暫定的な合意を示すもので、フランス製の各種防衛装備を購入する意向を明記している。

購入意向書には、ラファール戦闘機のほか、防空システム、レーダー、無人機なども含まれている。これを受け、パリ市場ではダッソー社の株価が一時8%上昇した。

「ウクライナは100機のラファールF4戦闘機に加え、最新鋭のフランス製レーダー、および8基のSAMP/T防空システムを取得することになる。各システムには6基の発射装置が含まれる見込みだ」とゼレンスキー大統領はSNSプラットフォーム「X」で述べた。「これは10年間にわたる戦略的協定であり、来年から発効する。まさに歴史的な合意である」と強調した。

ブルームバーグ通信によると、事情に詳しい関係者は、最初のラファール戦闘機の納入時期はウクライナのパイロットの訓練進捗や関連インフラの整備状況によって決まると明らかにした。

ゼレンスキー大統領は「きょうはフランスとウクライナ両国にとって極めて重要で、真に歴史的な意義を持つ一日だ」とXに投稿した。

フランスは、この意向書はあくまで政治的な約束であり、具体的な調達契約ではないと説明した。実際の契約は後日に締結される見通しである。

マクロン大統領はLCIテレビのインタビューで「100機という数は極めて大規模であり、ウクライナ軍の再建に不可欠だ」と述べた。また、「短期間のうちにウクライナに無人機、無人機迎撃システム、その他の装備を供与することを目指している」としたうえで、「将来的にロシアとウクライナの間で和平合意が成立した際には、ウクライナが新たな侵攻に備えられるよう支援していく」と語った。

ラファール戦闘機はフランスで最も先進的な機体であり、高度な技術を搭載した三角翼の多用途戦闘機として知られる。優れた機動性と高い運用効率を特徴とし、中東やアフリカでの海外作戦にも投入されている。1機あたりの価格は1億ドル(約150億円)を超えるとみられる。

戦闘機の増強はゼレンスキー大統領の重要な目標の一つである。わずか1か月足らず前、ウクライナはスウェーデンと意向書を交わし、スウェーデンが最大150機のサーブ(Saab)製戦闘機を供給する計画を示していた。

ウクライナはすでに、アメリカのロッキード製で、デンマークやオランダなどNATO諸国から供与されたF-16戦闘機を受領している。アメリカ国務省は今年5月、ウクライナに対し最大3億5千万ドル(約525億円)相当のF-16訓練および関連サービスの提供を承認している。

張婷