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中国 子どもの採血に不信高まる

「何を目的に子どもの血を集めるのか」 上海の小学校で採血同意書が波紋

2025/11/09
更新: 2025/11/09

上海市内の小学校で、児童に「生物サンプル採取の同意書」が配られ、保護者の間に不安が広がっている。文書は上海市疾病予防管理センター名義で、血液や組織サンプルを採取する「調査」への参加を求める内容だった。

11月1日、ある母親がSNSに動画を投稿し、この問題を告発した。動画には「赤血球採取」「生物サンプル識別」などの項目が記された同意書が映っており、同意した子どもには毎年50元(約1100円)のギフトが渡されると説明されていた。

母親は「夫は先生の機嫌を損ねたくないから署名したほうがいいと言っていたが、血液型や組織サンプルは個人情報の中でも特に重要。子どもの安全が心配で、最終的に『不同意(同意しない)』にチェックした」と語った。

この動画は投稿後すぐに拡散し、5600件を超える「いいね」と1200件以上のコメントが寄せられた。コメントの多くは「絶対に同意すべきではない」「何のための採血なのか説明がない」「普通の健康診断とは違う」といった懸念であふれ、全国の保護者から「これは裏があるのでは」と恐怖や疑念の声が上がった。

中国各地では近年、警察や教育機関によるDNA採取が続いており、「犯罪防止のため」と説明されている。しかし一部では、「臓器移植のためのデータ収集ではないか」との疑念も強まっている。清華大学の労東燕教授は「明らかに過剰で違法な行為」と批判した。

こうした動きの背景には、医師や学生が臓器移植の不正を告発した後に不審死した事件や、未成年の失踪が相次ぐ現実がある。国民の間では「国家が何を集め、何に使うのか」という根本的な不信が深まっている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!