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ミャンマーKK園「掃討」発表は偽装? 被害者が語る「生き地獄」

2025/11/05
更新: 2025/11/05

ミャンマー軍は最近、悪名高いKK詐欺園区を「掃討した」と発表し、爆薬を使って園区の建物を爆破したと主張した。しかし「大紀元時報」の取材によると、複数の生存者や救助関係者は「それは外部向けの見せかけにすぎない」と証言している。詐欺グループは実際には、すでに人や設備をさらに人目につかない場所へ移していたという。

被害者の李さんは当時を振り返り「高給をうたった求人広告にだまされて園区へ連れて行かれた」と話す。入国するとすぐにパスポートを没収され、その後は毎日16時間以上の労働を強いられた。ノルマを達成できないと暴行を受け「殴られて声も出せず、歩けなくなる人もいた。毎日のように新しい被害者が連れてこられ、多くの人が最終的に半身不随になったり、消息を絶ったりした。また転売されたり、裏山に遺棄されたりした人もいた」と語る。

李さんは10月に民間の救援隊によって救出され「生きて帰れたのは奇跡だ」と話している。一緒に救出された人の中には、救出のために十数万元から四十数万元を支払った人もいたとのことだ。救援隊は政府組織ではなく民間団体のため、彼らによって救出される人はごくわずかだ。

雲南国境出身の救援隊員・劉超(仮名)氏は、救助活動で最大の難関は「偽情報が多いこと」だと指摘する。多くの家族がネット上の情報を見て「どこかの園区が壊滅した」「門が開いて人が解放された」と信じ、子供が出られると思って現場へ駆けつける。しかし実際に行ってみると、すでに別の場所へ移されているのだ。

劉氏によると、これらの園区同士は緊密な通信網で連携しており、情報が漏れると数時間以内に人を他の園区や新設の「園区」へ移す。

別の民間救助員・雷氏も「いわゆるKK詐欺園区が爆破された、壊滅したというのは偽装だ。園区側は世論の目をかわすため、まず人を移動させ、空になった施設を爆破して、あたかも成果を上げたかのように見せているのだ」と語る。現在もミャンマー北部では「ジョーコ山」「アポロ」「玉龍湾」「オーロラ」などの園区が稼働している。

劉氏は続けて「これらの詐欺園区は次々と名称を変え『ハイテクパーク』や『リゾート村』などの名目で人をだまし続けている。人道的な救援活動は「摘発しても再び現れる」ような悪循環にはまり、救出される人はごくわずかだが、新たな園区は次々に現れていると話す。

また、劉氏によると、ミャンマー政府軍と地方の武装勢力との関係は複雑で、軍は表向きには「園区を爆破した」と発表しているものの、実際には勢力や利権の奪い合いにすぎないという。BGF(国境警備隊)やDKBA(民主カレン仏教徒軍)といった民族武装組織は、園区から管理費を徴収したり、検問所を管理したり、さらには保護を提供しているケースもある。

劉氏はさらに「現在、ミャンマー北部の多くは『ブラックゾーン』となっており、園区は鉄製の簡易施設を設置し、容易に移動できる構造になっている。救助を成功させるには、拘束されている人の身元と所在地を特定し、家族が同意書に署名する必要がある。しかし、それでも成功率は50~60%程度で、リスクが高く、費用も莫大だ」と明かす。そして「多くの家族が初期対応を怠り、失踪してから助けを求めても、すでに手遅れのことが多い」と警鐘を鳴らした。