【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。
中国 「問題なし」と言い切る当局

雲南の犬化児童 人間性を奪われた子を金に換える「人間商売」の闇【動画あり】

2025/10/27
更新: 2025/10/27

中国で発覚した「犬化児童事件」が波紋を広げている。雲南省では以前から同様の子供の目撃情報が相次いでいたが、10月15日には四川省雅安市の高速道路サービスエリアでも、酷似した幼児の姿が撮影された。

映像には、全身が泥にまみれた3歳ほどの幼児が裸のまま地面を四つん這いで動き、食べ物を直接口にしている様子が映っていた。そばには大人2人が付き添い、そのうちの1人は服を着た乳児を抱いていた。対照的に、地面を這う子供だけが裸のままで、その異様な光景が瞬く間にネット上で拡散された。

目撃者によると、子供は犬のように四肢で走り、口にくわえたまま移動していた。立ち上がることも、手で物を持つこともできず、段差を下りる際には大人の服をつかんで跳ねるように動いていたという。

 

2025年10月15日、四川省雅安市で「犬化児童」と思われる幼い子が目撃された(映像よりスクリーンショット)

 

ネット上では「人間の発達過程を奪われた」「動物のように訓練された形跡がある」との声が相次いだ。さらに「同じような子供が去年すでに雲南で目撃・撮影されていたが、通報しても『問題なし』と片付けられた」との証言もある。

こうした目撃情報の積み重ねから「複数の犬化児童が存在する」「背後には人身売買や違法実験の産業チェーンがある」との疑念が一気に高まった。

ネット上では、雲南に犬化児童を訓練・管理する施設があり、闇サイトで映像が取引されているとの告発が相次いでいる。「子供を利用した金儲けではないか」「人間の尊厳を奪う行為だ」と批判が高まり、事件は社会問題へと発展した。

事件が大きな波紋を呼ぶ中、地元当局は「一家は雲南大理州出身で、高学歴の両親が『自然教育』を実践している」と説明した。しかし、映像で見える光景からは「裸のまま地面を這う幼児」と「自然教育」という言葉があまりにもかけ離れており、多くの市民がそれが教育なのかと反発した。

その後、最初の目撃地とは別の場所でも同じ家族が撮影された。幼児は依然として裸のまま、犬のような姿勢で動き回っていた。地元当局は再び「問題はない」と繰り返したが、疑念は消えなかった。

 

(四川省雅安市で「犬化児童」と思われる幼い子が目撃された 2025年10月15日)

 

微博(ウェイボー)、小紅書(RED)、抖音(ドウイン=中国版TikTok)といった主要SNSでは、「犬化児童」をめぐる話題が一時トレンドの最上位に浮上した。だが20日以降、関連する投稿や映像は次々と削除され、拡散した投稿者のアカウントも相次いで凍結された。

情報統制の中、ネット上の「市民調査隊」は独自に調査を進め、事件の背景に浮かび上がったのは、雲南省大理市近郊にある「赤い家」と呼ばれる建物だった。犬化児童を訓練・管理する拠点と疑われるこの建物は、過去に旅行者が撮影した動画にも登場しており、外では犬を連れた男のそばで、地面を這う子供の姿が確認されている。

 

犬化児童を訓練・管理する拠点と疑われている雲南省大理市近郊の「赤い家」(スクリーンショット)

 

ネット調査によると、「赤い家」の所有者は抖音(ドウイン)の人気配信者「鍋巴(グオバ)」こと郭瑞(グオ・ルイ)で、フォロワーは13万人。海外で暮らした後に帰国した人物で、姉は「犬化児童の母親」とされる万路(ワン・ルー)だという。

鍋巴の過去の配信では「dog man(犬人)」という言葉が使われ、顔を白く塗り目の周囲を黒くした写真も投稿されていた。四川で撮影された児童の映像と共通点が指摘され、暗網(ダークウェブ)で映像を売買していたとの疑惑も浮上している。

 

(左)鍋巴の過去の配信で、顔を白く塗り目の周囲を黒くした自撮り写真。(右)四川で撮影された犬化児童の映像。いずれも同じように白い顔と黒い目の縁取りが見られる (スクリーンショット)

 

10月24日夜「鍋巴」は自身のアカウントのすべての動画を削除し、非公開設定に変更した。

事件直後、ネット上では「これは組織的な児童搾取ビジネスだ」との告発が広がり、雲南当局の不作為に批判が集中した。
「通報しても無視、立って歩けた子が今は裸で這っている」とSNSには怒りの声が溢れ、人権団体も「人間の尊厳を踏みにじる行為」と警鐘を鳴らしている。
 

(2024年に撮影された映像には、男が3匹の犬と「犬化児童」と思われる幼い子を連れている様子が映っている)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!