共和党主導の「継続予算決議案(continuing resolution)」は、議論打ち切りに必要な60票を得られず、最終的に賛成54票、反対46票で否決された。この結果は9月19日以降の11回の投票結果とほぼ同じであり、ほとんどの共和党議員は賛成したが、民主党議員はほぼ全員が反対した。
トランプ大統領は21日、民主党が共和党版の継続予算決議案を先に承認し、政府が一時的に全面的に稼働を再開してからでなければ、民主党指導部との会談に応じないと表明した。
オレゴン州選出の民主党上院議員ジェフ・マークリー氏は、トランプ政権が州兵を都市に派遣し、移民局(ICE)の権限拡大を認め、議会が承認した特定予算の一部を撤回したことを批判している。
ニュージャージー州の民主党上院議員アンディ・キム氏は、エポックタイムズの取材に対し、米軍が疑わしい麻薬密輸船を攻撃した件について「違法性がある」と批判。これに対しトランプ政権は、調査の結果、これらの船はラテンアメリカの麻薬カルテルが操作しており、致死的な薬物をアメリカに密輸しようとしていたと反論した。また、キム議員は、民主党の主要な要求は医療改革の推進にあると強調し、マイク・ジョンソン下院議長が議会の召集を拒んでいるため交渉が停滞していると指摘した。
共和党議員はこれに対し、民主党が政府閉鎖を利用して左派支持層に反トランプの姿勢を示す「政治ショー」を行っていると反論した。アイダホ州の共和党下院議員マイク・シンプソン氏は、この膠着状態は「民主党の二大指導者が自らの地位を守るための権力ゲーム」であり、上院少数党リーダーのチャック・シューマー氏と下院少数党リーダーのハキーム・ジェフリーズ氏が対立の矛先になっていると述べた。
アメリカ社会への影響も拡大している。下院多数党リーダーのスティーブ・スカリス氏は、政府閉鎖が11月まで続けば、4200万世帯以上が利用する「補足栄養支援プログラム(SNAP)」に深刻な影響が出ると警告し、民主党が「極左に忠誠を示すために国民の飢えを容認している」と非難した。ジョンソン議長は、民主党の提案には「大きく美しい法案(One Big Beautiful Bill Act)」の医療関連条項の全面廃止が含まれており、共和党には協議の余地がないと改めて強調した。
こうした両党の対立激化により、連邦政府の行政機能や福祉サービスが麻痺している。どちらか一方が大幅な譲歩をしなければ、この膠着状態は史上最長の政府閉鎖となる可能性が高い。
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