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日本の法輪功学習者 中共大使館前で抗議 家族の即時釈放と迫害停止を訴え

2025/10/19
更新: 2025/10/19

10月17日、日本在住の法輪功学習者である劉希月さんと張一文さんが、東京の中国大使館前で抗議文を読み上げ、中国で不当に拘束されている家族の即時釈放を求めた。「中国における臓器移植を考える会」の丸山治章代表と根本敬夫事務局長も現場に駆けつけ、支援の意を示した。

抗議では声明が読み上げられ、中国共産党(中共)と習近平政権に対し、現在「集中キャンプ」と呼ばれる収容施設に拘束されている全ての人々を即時釈放すること、生体臓器摘出(臓器狩り)を直ちに停止することを強く要求。また、丁楽斌氏の父・丁元徳氏、張一文氏の母・王乖彥氏、劉希月氏の妹・劉聰氏の3名について、無条件での即時釈放を求めた。

人類史に残るジェノサイド

丸山代表は、法輪功への弾圧を「人類史上まれに見るジェノサイドであり、極めて残虐かつ極悪非道な行為」と厳しく非難し「これを止めることは日本人としてだけでなく、人類としての責務であり、人類の歴史においても決して許されるべきではない」と訴えた。そして「私たちはこうした抗議活動を通じ、今後も強く訴え続ける」と、継続的な活動への決意を表明した。

同氏は、法輪功学習者の連行や裁判の過程において、司法がすでに制度として機能していない現状について「中国共産党は法治国家ではないという事実が、まさにここで証明されている」と指摘した。「本来ならば裁かれるべき側、すなわち悪事を働く側が、無実の人々を裁いているのであり、これは正義と法の根本を覆す行為である。だから、世界の人々は声を上げなければならないと思っている」と強調した。

抗議に駆けつけた臓器移植を考える会代表で逗子市議会議員の丸山治章氏(栗子/大紀元)

「いますぐ妹を釈放してください」

横浜市在住の劉希月さんは、涙ながらに「いますぐ妹を釈放してください!」と声を上げた。妹である劉聰さん(遼寧省葫芦島市在住)は、「真・善・忍」を信条とする法輪功の信仰を理由に長年迫害を受けてきた。2011年に大連市で拘束され、洗脳施設および留置場に不当に拘禁された後、懲役4年の判決を受けた。その後も夫・欒長輝さんの冤罪を訴え続け、同時に他の被害者家族を支援していた。

しかし、この平和的な権利行使が弾圧の口実とされ、2024年7月12日早朝5時、「下の階で水漏れがしている」という虚偽の理由で玄関を開けさせられ、十数名の警官が令状も提示せずに立ち入り、劉聰さんを拘束。2025年の裁判では弁護側の無罪主張にもかかわらず、葫芦島市連山区法院は懲役4年と罰金2万元(約42万円)の判決を言い渡した。

姉の劉希月さんが日本から現地の派出所へ安否を問い合わせたところ、「劉聰という者は知らない」と虚偽の回答を受けたほか、「知りたければ来て直接聞け。その場で逮捕してやる」と脅迫を受けたという。

「中国共産党による法輪功学習者への迫害は、人権と法律を完全に踏みにじった集団虐殺に等しい」と劉希月さんは非難。「私たち被害者家族はこの残酷な迫害の証人である。中国共産党は中国人民および法輪功学習者に対して数え切れない罪を犯した。我々は徹底的に責任を追及し、中国共産党とその共犯者を正義の法廷に立たせ、法の裁きを受けさせねばならない」と訴えた。

言葉を失うほどの残虐行為

東京在住の張一文さんも抗議文を読み上げ、陝西省宝鶏市金台区法院により不当に懲役4年の判決を受けた母・王乖彥さんの釈放を求めた。

「法輪功を修煉し、その書籍を所持することは中国の現行法において完全に合法である。法輪功は公安部が定めた14種の邪教に含まれていない。弾圧の根拠は江沢民(元中国共産党のトップ)の個人的な発言と、法的効力のない内部通知の恣意的な解釈に過ぎない」と述べ、中共政府の法的根拠なき判決を厳しく批判した。

王乖彥さんは心臓病を患っていたが、法輪功の修煉によって健康を回復し、性格も善良かつ寛容になった。しかし中共当局はそのような善良な市民を体制への脅威と見なしている。1999年の迫害開始以来、王さんは何度も不当に投獄された。拘束中には殴打や頭部を壁に打ち付けられる暴行、針で刺す拷問、一日14時間以上の強制労働など、残虐な虐待を受けた。また修煉を放棄しなかったことで職場からも不当に解雇された。それでもなお、彼女は拷問した警官を憎まず、善意で接し続けた。

2024年4月11日には、友人の自宅にいたところを連行され、1年以上家族との面会すら許されていない。今年9月、張さんの父親が刑務所に面会を求めた際、刑務官から「王乖彥は『転向』しないから、我々には相応のやり方がある」と、面会を断られた。張さんは、母が再び残虐な拷問を受けているのではないかと心配している。

中国全土で続く制度的迫害 司法が迫害の道具と化す

不当な拘束や拷問、そして法的根拠を欠いた裁判は、決して一人、二人の特殊なケースではない。これは現在の中国で数多くの法輪功学習者が直面している典型的な人権迫害の実態である。

実際、四川省攀枝花市の法輪功学習者・姚佳秀さんは、法輪功の真相を伝える資料を作成したという「罪」を捏造され、公安・検察・裁判所が結託して起訴された。四川省西昌市法院は今年8月1日、姚さんに対し懲役5年と罰金2万元(約42万円)を科す判決を下した。姚さんはその後控訴した。二審では公開審理が行われず、弁護士への通知もないまま、僅か11日後に上訴が棄却されていた。

息子の龔金均さんによると、判決文は本人にしか渡されず、家族が上訴審の判決書の交付を求めた際も、裁判所は「あなたが本当に家族かどうか確認できない」として交付を拒否したという。家族は弁護士に依頼し、弁護士が9月1日に姚さんと面会した際、そこで初めて判決がすでに下されていた事実を知った。さらに、その判決は8月25日には姚さん本人に通知済みであったことも判明した。

同様の事例は他にもある。四川省成都市の法輪功学習者・鐘芳琼さんは、「信仰を捨てなかった」というただそれだけの理由で、2024年6月26日に新都分局の警察により連行され、四川成都看守所に拘禁されている。違法行為の証拠は一切示されていないにもかかわらず、拘束はすでに1年以上に及び、家族は一度も面会を許されていない。検察の起訴は二度退けられたが、当局は執拗に新たな罪状を捏造し続けている。

こうした対応は、中国の司法制度における最低限の手続きをも無視するものであり、法輪功の案件においては、もはや法の形式すら放棄されている現実を浮き彫りにしている。

東京で会社に勤務している張述慧さんは、「中国の憲法には、信仰の自由と人権の保障がはっきりと定められている。にもかかわらず、成都看守所では、私の姨母である鐘芳瓊さんをはじめ、多くの法輪功学習者が今も不当に拘束されています。これは明らかに憲法違反だ」と批判した。

また、「成都看守所による違法な拘禁をただちにやめ、鐘芳瓊さんとすべての法輪功学習者を即時・無条件で解放してください」と訴えた。

「中国共産党の下に留まることは危険」

最後に張一文さんは次のように訴えた。

「賢明な皆さんなら、中国共産党という体制が崩壊に向かっている“危うい壁”であり、その下に身を置き続けることがいかに危険であるか、すでに理解しているはずです。どうか良心と善を守り、法輪功学習者に対して善意ある態度を取っていただきたい。そして王乖彥さん、姚佳秀さん、鐘芳琼さんをはじめ、現在不当に拘束されているすべての法輪功学習者を解放してください。それこそが、皆さん自身とご家族の未来にとって真に賢明で幸福な選択です」

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。