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チャーリー・カーク氏へ大統領自由勲章 トランプ大統領 暗殺事件後に追贈

2025/10/15
更新: 2025/10/22

10月14日、トランプ米大統領は、暗殺された保守派活動家チャーリー・カーク氏の32歳の誕生日に、大統領自由勲章を追贈した。カーク氏の死を受け、米国社会では政治的暴力への批判が高まり、保守運動やターニング・ポイントUSAにも新たな注目が集まっている。

大統領自由勲章は、米国で民間人に贈られる最高の栄誉であり、創設以来の受章者は670人にとどまっている。トランプ大統領は式典で「本日、私たちは無畏の自由の闘士であり、人々に愛された指導者を悼み、その功績をたたえる。一度も見たことのない形で次世代を鼓舞した人物だった。揺るぎない信念、卓越した資質、そして比類なき愛国心をもって生きた男、亡くなったチャーリー・カーク氏を讃えたい」と述べた。

カーク氏は保守系市民団体「ターニング・ポイントUSA(Turning Point USA)」の創設者であり、2025年9月10日、ユタ州のユタ・ヴァレー大学で開催された講演会の最中に銃撃を受け、死亡した。この事件は全米に衝撃を与え、政治的暴力を非難する声が一層高まる契機となった。

カーク氏の妻であり、「ターニング・ポイントUSA」の新CEOに就任したエリカ・カーク氏が、夫を代表して勲章を受け取った。同日はカーク氏の32歳の誕生日でもあり、トランプ大統領はこの日を「チャーリー・カーク国民記念日」と宣言した。

「最高の誕生日プレゼント」

エリカ氏は式典の場で、「大統領閣下、あなたは彼に最高の誕生日プレゼントを贈ってくださいました」と語り、「ご支援と、夫が生涯をかけて取り組んだ使命へのご理解に、心より感謝申し上げます」と続けた。さらに、夫の人柄について「彼は誰かを叱責することなく、敵に対しても祈りを捧げる人物でした」と述懐した。

カーク氏は保守派運動の中核人物として、トランプ氏の2024年大統領選挙において若年層の支持拡大に大きく寄与し、絶大な影響力を持っていた。9月21日の追悼式には、多くの共和党幹部やメディア関係者、トランプ氏の盟友らが参列した。出席者には、副大統領J.D.ヴァンス氏、国務長官マルコ・ルビオ氏、上院議員テッド・クルーズ氏、マイク・リー氏、リック・スコット氏、そして下院議長マイク・ジョンソン氏らが名を連ねた。

トランプ大統領はカーク氏を「アメリカ自由の殉教者」と評し、追悼の辞で彼の理念を継承する決意を述べた。9月には上下両院がそれぞれ決議を採択し、10月14日を「チャーリー・カーク全国記念日」と正式に制定している。

トランプ大統領:カーク氏が家族と祖国に献身

また、トランプ大統領はカーク氏の死を最初に公表した人物でもある。「カークは2016年、私の大統領選運動に加わり、最初から私を支持してくれた。彼は私に好意を抱いていてくれたようだが、実を言うと私はそれを知らなかったし、その理由も理解していない。彼はいったい何を考えていたのだろうか」と冗談交じりに語った。

副大統領のJ.D.ヴァンス氏は、カーク氏が当初トランプ氏に懐疑的だったものの、最終的には深く理解し、協調的な関係を築いたと述べた上で、彼が終生神への信仰を保っていたことを明らかにした。

トランプ大統領は同日、カーク氏の家族と祖国への献身を称え、「彼は妻と家族のため、そしてこの国のために生涯をささげた人物だった」と述べ、「彼はきっと天国へ行くだろう。私は言ったのだ、『自分にはできるかどうかわからない』と。彼はいま、私たちを見守っている」と語った。

「ターニング・ポイントUSA」の会員数は急速に拡大

カーク氏の死後、「ターニング・ポイントUSA」の会員数は急速に拡大している。エリカ氏はホワイトハウスの式典で全米のメンバーに向けて、「今、全国各地でこの式典を見つめているターニング・ポイントの仲間たち、あなたたちは未来の鼓動です。あなたたちは、夫の使命が彼の死とともに消え去っていないことを示す生きた証人です」と呼びかけた。

トランプ大統領は改めて暴力事件を非難

カーク氏暗殺事件は、トランプ政権が「極左過激主義」との戦いを強化する転機にもなった。政権はすでに、FBI(連邦捜査局)、国土安全保障省、IRS(内国歳入庁)など複数の連邦機関が連携し、政治的暴力を資金援助・組織しているとされる左派団体への捜査と摘発を本格化させている。

14日、トランプ大統領は改めて国内の暴力事件を非難し、移民税関執行局(ICE)職員への襲撃やカーク氏殺害事件を挙げた上で、「私たちは怒れる暴徒たちとの関係を断った。もはやこの国の都市を危険にさらすことはない」と述べ、「シカゴを安全な街にする」と誓った。

林燕