コロナワクチン契約文書の全面不開示を違法とする判決が東京地裁で出され、合理的範囲での部分開示を厚生労働省に求める内容となった。毎日新聞が報道した。
新型コロナウイルスワクチンの接種を巡り、国と製薬会社との契約内容を記した文書の全面不開示を決定した厚生労働省の対応が違法として、名古屋市の一般財団法人LHS研究所が取消しを求めていた訴訟で、東京地裁は9日、この決定を取り消した。
2022年8月、LHS研究所は、同年7月21日付けの新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(顧問委員会)の情報に同感染症の重症化数、死亡者数が記載されていなかったことについて厚労省に情報開示を求めた。
その情報では、年齢層によってはワクチン接種10万人当たりの新規感染者数が増えていたが、重症化数、死亡者数は不明だった。
また2021年9月1日のアドバイザリーボードのデータでは、ワクチン未接種者に比べ、ワクチン一回及び二回接種者では65歳以上での致死率は低かったもの、65歳未満の致死率は高く、全体の数字としてはワクチン接種者の致死率が高いという事象がでていた。でLHS研究所代表理事の福島雅典 京都大学名誉教授はワクチンを全年齢に打つという根拠はすでに2021年の 9月のアドバイザリーボードで無くなってるにもかかわらず接種を進めてきたと疑念を呈した。
しかし国は2023年1月、ファイザーやモデルナなど4社と締結したワクチン契約文書について「公開すると企業の正当な利益を害する恐れがある」として全面不開示とした。
LHS研究所は、2023年2月2日、東京で記者会見を開き、コロナ関連の情報公開に対して不開示とした厚生労働省の決定を不当とし、行政文書の開示請求を行った。
今回、東京地裁の品田幸男裁判長は「情報公開法では、開示請求された文書の中に不開示情報が含まれていても、その部分を除いて原則公開すべき」と指摘。ワクチン契約書も内容ごとに合理的に区切り、部分的な開示可否の検討は可能であり、企業利益を必ずしも損なうとは判断できないとして、全て不開示の決定は違法との結論を示した。
厚生労働省は「判決内容を確認し、関係省庁と協議の上、適切に対応を検討する」とコメントしている。今回の判決は、行政文書の情報公開を巡る今後の開示判断に大きな影響を与える可能性がある。
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