中国・河南省鄭州市の裁判所が発行した公式文書で、ありえない誤記が連発し、ネット上で爆笑とあきれ声が広がっている。
問題の文書は、拘留や逮捕の代わりに自宅などで監視下に置くことを命じる決定書「監視居住執行決定書(9月5日付)」。冒頭には「中華中人民共和国刑事訴訟法」と記されていた。「中華」と「人民」の間に、「中」という一文字が追加され、「新国家」が誕生した格好だ。
さらに物議を醸したのが、発行元の表記である。「河南省鄭州市・管城漢族区人民法院(裁判所)」と記されているが、正しくは「管城回族区人民法院」とある。この存在しない「漢族区」の裁判所名を見た市民は目を疑った。「それどこの裁判所?」「新しくできたの?」とネット上はざわついた。
しかし調べるまでもなく、そんな区は地図のどこにも存在しない。
「判決書の名前が違う」「離婚判決なのに相手が別人」「刑期の年数が合わない」など、中国の裁判所が発行する司法文書で、この種の「重大なミス」が起きるのは何も珍しいことではない。
なかには百を超える誤字が見つかった文書や、「人民法院(裁判所)」を「人民医院(病院)」と書き間違えた例まで報告されている。それでも、こうしたミスに対する明確な是正措置が取られた例はほとんど報じられていない。
誤字がここまで常態化する現状に対し、あるネットユーザーは、この「官製ミス連発ぶり」をこう皮肉った。「AIに任せた方がマシ。少なくとも国名は間違えない」
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