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欧州の空港がサイバー攻撃で麻痺 複数の便が遅延・欠航

2025/09/22
更新: 2025/09/22

9月20日、イギリスのロンドン・ヒースロー空港、ドイツのベルリン・ブランデンブルク空港、そしてベルギーのブリュッセル空港で、搭乗手続きやチェックインシステムを提供する外部サービス会社がサイバー攻撃を受け、システムが停止した。この影響で手作業による対応を余儀なくされ、多数の便が遅延や欠航となった。

ベルギー・ブリュッセル空港の広報担当であるインセイン・シウア・レクリ氏は次のように述べている。

「チェックインや搭乗手続きを担う外部会社の技術障害により、通常通りの手続きができない状況だ。この問題は昨夜発生したサイバー攻撃が原因であり、影響を最小限に抑えるために全力を尽くしている」

ブリュッセル空港側は、システムが麻痺したため手作業でチェックインなどを行っており、運航への影響が非常に大きいと説明している。

今回障害を起こしたのはコリンズ・エアロスペースで、その親会社であるレイセオン・テクノロジーズ(RTX)は、一部の空港で自社のソフトウェアに不具合が発生していることを認めたが、影響を受けた空港名については公表を控えた。

レイセオンは、電子メールでの声明の中で「当社は問題の修復に全力を尽くしている。今回の障害はオンラインチェックインや手荷物の預け入れシステムが対象だが、これらについては手作業での対応が可能だ」と強調した。

影響はベルリン・ブランデンブルク空港にも及んでおり、19日夜には旅客業務システムの接続が一時的に切断したと報告されている。

同空港を利用していた旅行者のクリステル氏は「もちろん残念なことだが、私たちだけではなく、ここでも聞いたところ、今ではほとんどどこの空港でも同じ状況のようだ」と話している。

また、ヨーロッパで利用者数が最多を誇るロンドン・ヒースロー空港でも、同様に技術的な障害が発生したことが報告されている。

このような事態は今回が初めてではない。昨年9月には、サイバーセキュリティ企業「クラウドストライク」によるソフトウェアアップデートに不具合が生じ、世界各地で大規模なIT障害が発生した。その影響で航空業界は大混乱に陥り、アメリカ国内の一部の便が欠航する事態となった。

当時アナリストらは、航空業界におけるシステムのデジタル化に不具合が生じた場合、連鎖的に大規模な問題が発生する可能性があると警鐘を鳴らしていた。