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チャーリー・カーク氏銃撃事件めぐり 中共が偽情報拡散 米国内分断を画策

2025/09/15
更新: 2025/09/22

米国の保守派政治活動家チャーリー・カーク氏が米ユタ州で銃撃を受け死亡した事件は全米に衝撃が広がっている。しかし、同事件をめぐり、SNS上では誤った犯人像の特定から陰謀論の拡散に至るまで、大量のフェイクニュースが急速に流れ始めている。ユタ州のスペンサー・コックス知事は、中共やロシアのボットアカウントが同事件を利用して偽情報を拡散し、暴力を煽動し、米国社会の分断を助長しようとしていると警告した。

カーク氏が暗殺された後、XやTikTokなど各種プラットフォーム上では偽情報の投稿が急増している。例えば「容疑者が現場で警察に取り押さえられた」とする偽の写真や、「犯人はトランスジェンダーだ」といった情報、さらに「容疑者はリベラル派の人物だった」などといった主張に加え、架空のカーク氏による捏造されたインタビュー記事まで出回り、事件は瞬く間に陰謀論の渦に巻き込まれている。

ユタ州のコックス知事は11日の記者会見で「FBIは本件について7千件以上の情報提供を受けているが、その多くが中共やロシアに由来する偽情報だ」と明かした。

コックス知事は、「我々は大量の偽情報を追跡し続けている。しかし、明らかになっているのは、我々の敵が望んでいるのは暴力だということだ」と指摘。

その上で、「ロシアや中共、世界各地のボットアカウントが偽情報を発信し、暴力を扇動しようとしているのだ」と語った。

専門家らは、中共が偽情報拡散を行う狙いについて、世論を混乱させ、米国の国民の対立を激化させ、国の結束を弱めることにあるとみている。

米セント・トーマス大学国際研究講座の葉耀元教授は、「中共がこうした行為を行う理由は、ネット上のフェイク情報を利用して米国社会を分断する以外にない」との見解を示した。

「彼らは保守勢力と自由主義勢力の対立を一層過激化させ、米国社会を不安定にしようとしているのだ」

また、関係筋は、暴力の扇動や偽情報の拡散によって世論を混乱させることは、中共が政権を維持するための一つの手段であり、現在はこうした手法を積極的に海外へ輸出していると指摘している。

米国議会図書館に著作が収蔵されている作家で、不動産会社社長の蔣品超氏は、「中共は民衆どうしを対立させ、その動きを監視して情報を収集し、常にテロ的な手法を用いて支配を強化している。このような恐怖の手段によって目的を実現し、彼らが夢見る統治社会の構築を目指しているのだ」と語った。

また、「だからこそ、共産党にとって偽情報を利用して世論を誘導することは極めて重要なのだ」と述べた。

カーク氏の暗殺は、米国全体に怒りと深い悲しみ、そして強い衝撃をもたらした。これは「政治的暗殺」と位置づけられており、米国社会の根幹にある言論の自由や民主主義に直結する重大事件と受け止められている。

中共やロシアによる偽情報拡散と米国への内政干渉は従来から指摘されてきたが、今回のカーク氏銃撃事件は、中共の意図を一層露わにし、国民の怒りを高めている。

学者らは、米国が中共による偽情報の越境的な拡散という悪質な行為に対して、断固として対抗しなければならないと警告している。

葉耀元氏は、「いま我々は、中国やロシア、その他の国から発信される、米国社会を分断する狙いをもった偽情報への対応を強化し、対抗策を講じなければならない」と述べた。