国民民主党の鳩山紀一郎衆院議員は28日、父の鳩山由紀夫元首相が中国共産党政権が主催する「抗日戦争勝利80年記念行事」に出席することについて、「父には出席の取りやめを要請した」とX(旧Twitter)で明かした。
中共当局は28日、9月3日に北京で「抗日戦争勝利80年」を記念して実施される軍事パレードなど一連の行事に、鳩山元首相が出席すると発表した。また北朝鮮の金正恩やロシアのプーチン大統領ら、中央アジアや東南アジア、アフリカなど計26か国の元首・首脳級が出席する予定だとしている。
国民民主の鳩山紀一郎衆院議員は、「父には出席の取りやめを要請した」と投稿。「日本国民にとって最も大切なことは、戦争の悲劇を二度と繰り返さないために、歴史から学ぶべきことはしっかり学びつつ、抑止を中心に、常に最大限の戦略的な準備を行うこと」との認識を示した。
その上で、「その観点で、日本の元首相が中国政府の戦勝記念行事に出席する必要はありません」と強調した。
この投稿について、国民民主党の玉木代表は「御尊父に諫言するのは心苦しかったと思いますが、正しい認識」と同意。
「歴史に真摯に向き合うことと、他国に利用されることは別」「国益に鑑み、元総理の訪中はやめるべき」と提言した。
北京の軍事パレードなどの行事に、石破茂首相や金杉憲治駐中国大使は出席しない方針である。
軍事パレードを前に、抗日戦争や南京事件を扱った映画が夏以降次々と公開され、官製メディアも連日報道している。
中共党首の習近平も、盧溝橋事件88周年の先月7日に、ブラジルでのBRICSの首脳会議を欠席し、記念施設を訪問。こうした動きは、経済の低迷が続く中で、経済成長を一党独裁の「正統性」に結びつけてきた中共が、反日感情を煽ることで国民の関心を外部に向けさせ、共産党統治の「正統性」を確保しようとしているとみられる。
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