トランプ米大統領の次男で、トランプ・オーガナイゼーションの幹部を務めるエリック・トランプ氏が、9月1日に東京で開かれるビットコイン保有企業「メタプラネット」の株主総会に出席する見通しとなった。ブルームバーグが報じたもので、ロイターも追随して伝えた。
エリック氏は8月28日から29日にかけて香港で行われる暗号資産イベント「Bitcoin Asia2025」に登壇した後、東京に向かう予定。今年3月から同社の戦略顧問を務めており、トランプ家がアジア市場でも暗号資産分野に存在感を高めていることを示している。
メタプラネットは元々ホテル運営を手がけていたが、2024年に経営戦略を大きく転換し、ビットコインの保有を進めてきた。同社は今週、新たに775枚のビットコインを購入。総保有量は1万8888枚に達し、投資額は約19億4千万ドルとなった。同社のサイモン・ゲロヴィッチCEO(最高経営責任者)は「年内に3万枚まで増やす目標は変わらない」としている。
トランプ家は近年、暗号資産関連の事業展開を加速させている。8月には、トランプ家と関係のある分散型金融プラットフォーム、ワールド・リバティ・ファイナンシャルが米ブロックチェーン企業「ALT5 シグマ」と15億ドル規模の提携を締結。自社トークン「WLFI」を基盤とする準備プラットフォームに転換する方針を打ち出した。エリック氏はALT5 シグマの取締役会にも加わる予定だ。
さらに、トランプ・メディア&テクノロジー・グループも今年初めに20億ドル以上を調達し、ビットコインの購入に充てたとされる。また、兄のドナルド・トランプ・ジュニア氏と共に支援するマイニング(取引などのデータをブロックチェーンに保存する作業を行い、その報酬として仮想通貨を得る行為)の企業「アメリカン・ビットコイン」が、アジアで買収の機会を探しているという。
こうした動きは、日本で高まる暗号資産への関心とも重なる。金融庁は8月18日、初めて円建てのステーブルコイン発行を承認した。さらに、加藤勝信財務大臣ら複数の国会議員が8月25〜26日に東京で開催される「WebX2025」で講演する予定となっている。
トランプ大統領自身も「暗号資産大統領(crypto president)になる」と宣言しており、暗号資産を通じて銀行システムを改善し、ドルの国際的な地位をさらに強固にする考えを示している。
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