中国南部・広西チワン族自治区の柳州市で、有毒鉱山の崩壊による深刻な水質汚染が発生した。
洪水で崩れたのは、強い毒性を持つ「アンチモン」の鉱山だ。流出した有害物質は、周辺の川に流れ込み、住民の水道水は緑色、赤褐色、茶褐色などに変色した。
なお、アンチモンは発がんリスクがあり、心筋炎などの中毒症状を引き起こす可能性のある危険物質だ。
SNS上には、カラフルに変色した水や泥のような沈殿物の動画が次々と投稿され、「この水、本当に大丈夫か」と不安が広がった。一部地域では数日間の断水が続き、住民たちは山の湧き水を汲み、スーパーではミネラルウォーターを奪い合った。
しかし当局は、「水質は基準を満たしている」「デマを流さないように」と通達。にもかかわらず、住民の不信感は強まる一方だ。
汚染は、隣省の広東省雲浮市にも到達し、雲浮市は一時「水道水の使用を控えるように」と警告したが、その後「水質は正常だ」と「お決まり」の発表に切り替えた。
過去にも中国各地で、水道水が緑色や真っ黒に変色したり、悪臭を放つ事例が相次いだ。そのたびに当局は「管内の付着物が原因」「健康には問題ない」と説明したが、原因の徹底解明や再発防止策を示したことはほとんどない。
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