2025年7月に実施される食品の値上げが、前年同月と比べて約5倍となる2105品目に達することが明らかになった。これは帝国データバンクが6月30日に発表した調査結果によるものであり、主要な食品メーカー195社を対象に集計されたものである。
今回の値上げは、主に原材料価格の高騰が要因となっている。特に小麦や食用油、砂糖などの国際価格が上昇し、メーカーの調達コストが大きく増加した。さらに、人件費や物流費、光熱費の上昇も重なり、企業はコスト増加分を価格に転嫁せざるを得なくなっている。帝国データバンクの調査によれば、値上げの要因として「原材料高」を挙げた企業は97.2%、「人件費増加」は53.9%にのぼり、2023年以降で最高水準となった。
分野別に見ると、調味料分野(カレールウやだし製品など)が最多で1445品目に及び、次いで菓子類(196品目)、加工食品(117品目)などが続く。ビールや清涼飲料水などの飲料類も前年から大幅に増加している。また、パックご飯や冷凍食品、のりなどの加工食品も値上げが目立つ。
2025年1月から7月までの累計値上げ品目数は1万8697品目に達しており、7月中にも年間2万品目を超える見通しである。もし2万品目を超えれば、2023年以来2年ぶりの高水準となる。
背景には、円安による輸入コスト増や、世界的な原材料需給の不安定化、物流業界の人手不足といった構造的な問題もある。さらに、近時は中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇が進めば、エネルギーコスト由来の値上げの可能性もある。
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