トランプ大統領はCNNとニューヨーク・タイムズの米軍空爆報道を「フェイクニュース」と断じ、記者を名指しで批判した。
トランプ大統領はSNS上で投稿し、ニューヨーク・タイムズおよびCNNを名指しで批判した。トランプ氏は「彼らの記者は重症だ。信頼度は94%から16%に下落した」と述べたうえで、「これらの記者は本当にひどく、アメリカの成功を喜ぶどころか、常にアメリカを悪く見せようとしている。完全な中傷行為だ」と断じた。
では、トランプ大統領の怒りを買ったメディア報道とは何だったのか。実情として、CNNやニューヨーク・タイムズといった左派系主流メディアが、ある記者の「特別報道」を展開した。報道内容は、米国防情報局が入手したとされる初期情報をもとに、先週末に米軍が実施したイランの三つの核施設への空爆が「成功とは言えず、核計画を数カ月遅延させたにすぎない」というものである。この見解は、トランプ大統領が以前強調した「核施設を完全に破壊した」という主張と明確に食い違っている。
ピート・ヘグセス米国防長官もこの報道に強い反発を示し、NATOの記者会見で怒りをあらわにした。ヘグセス氏は「引用された情報は下級情報員によるリークに基づくものだ」と説明し、CNNとニューヨーク・タイムズに情報を流した関係者を対象に刑事調査を開始したと発表した。ヘグセス長官は「このリークは虚偽であり、国家の安全を脅かす犯罪である」と語り、FBIと合同での調査を進め、関与者を特定次第、即座に解雇し逮捕する方針を明言した。また、これらメディアが意図的に米軍の行動を歪曲し、評価を損なおうとしていると非難した。
一部の分析によれば、リークには国防省内の高官、特にトランプ大統領政策に反感を抱く勢力が関与している可能性がある。情報のやり取りには暗号化メールやダークウェブなどの匿名性の高い手段が用いられたと推定される。CNNの記者は、入手した情報を意図的に選別し、イラン核施設の破壊失敗を誇張する形で報道を組み立て、トランプ大統領の軍事成果に打撃を与えようとした。
この情報リーク事件は、アメリカ国内における党派対立の一断面でもある。トランプ大統領は、NATO加盟国の防衛費5%達成、イランに対する空爆による強力なけん制、迅速な停戦合意など一連の成果を主導してきた。その一方で、これらの成果に反発する左派メディアや一部軍関係者が、報道を通じてトランプ大統領の信頼性を損なおうとする動きを強めている。CNNやニューヨーク・タイムズは、そうした左派陣営の先鋒として機能している。
バートランド記者への批判
この報道合戦において、ひときわ注目を集めたのがCNN記者ナターシャ・バートランド(Natasha Bertrand)である。かつては他人のスキャンダルを暴く側であった彼女が、今回は標的となった。近年、彼女は左派メディアによる反トランプ大統領報道の中心に位置し、断片的な情報をもとにセンセーショナルな記事を連発してきた。
バートランド氏は選択的な情報リークを活用し、世論を操作してきた経歴を持つ。2020年には左派系メディア「Politico」で、51人の元情報官が「ハンター・バイデンのノートパソコンはロシアの偽情報である」とする見解を紹介し、世論を誘導した。だが、後にノートパソコンとその中身が本物のハンター・バイデンのものであることが証明された。また、彼女は新型コロナの発生源に関しても、武漢研究所流出説を否定する記事を執筆し、中共寄りの立場を取った。この報道は左派メディアの根拠として流布し、パンデミック責任追及の遅れにつながった。
今回、バートランド氏は再び同様の手法を用いた結果、自らの報道姿勢が大きな批判を招くこととなった。ホワイトハウス報道官は彼女の名を明示し、その情報操作の実態に警鐘を鳴らした。
この動きに呼応し、トランプ大統領はSNS投稿にてCNNに対しバートランドの解雇を要求した。トランプ氏は「ナターシャ・バートランドはCNNから即刻解雇されるべきだ。私は3日間彼女の報道を観察したが、内容はフェイクニュースばかりだ」と断じ、「ハンターのノートパソコン報道において嘘を流し、今回の核施設報道でも虚偽を広めた。彼女は愛国的なパイロットの名誉を貶め、成果を歪めようとした。しかし、実際にはパイロットたちは見事に任務を遂行し、目標を正確に直撃し、核施設を完全に破壊した」と強調した。

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